みなとみらいの直ぐ近くにある西区戸部は、かつて三菱ドックと共に栄えてきた。そんな戸部の一画に、銭湯「松島館」はある。建物は戦後直ぐに建てたということなので、現在の建物は築70年くらいということになる(創業は戦前)。関東に多い寺社のような宮造りの銭湯ではないが、入口両脇下からスクラッチタイル+タイルが貼られ、硝子にはモール硝子、ダイヤガラスとシンプルな外観ながら、目を引くポイントがある。脱衣室前には小さな坪庭もあり、入浴者の安らぐ空間を作っていたことが分かる。浴室のペンキ絵は今や数人しかいない銭湯絵師の丸山清人さんの作品だそうだ。
こちらでは薪で湯を沸かしている。薪で沸かしたお湯は熱いが、どこか柔らかく肌に触れ、さっぱりできた。時には女将さんのハーモニカの生演奏が聞こえてくる中、湯上りにいただく珈琲牛乳やビールは何とも身体に染み渡る。
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