<川和の歴史に川和でふれる>
江戸時代以来の中山恒三郎家・商店にかかわる歴史資料は現在、横浜市認定歴史的建造物となった中山恒三郎家店蔵及び書院のほか、(公財)横浜市ふるさと歴史財団が管理運営する横浜市歴史博物館・横浜開港資料館に保管されている。今回、施設改修工事で休館している横浜市歴史博物館のアウトリーチ事業として、中山恒三郎家・商店の店蔵と諸味蔵の公開を行う。書院では昨年度より本格的に始まった資料整理事業によって見つかった新出資料を含めて同家が川和という地域で果たしてきた役割などを紹介する。諸味蔵では、実際に行なっている資料整理の現場を公開し、資料カードの記入や写真撮影などの整理作業を見る事ができる。
会期中には、資料整理事業の進捗報告となる2回の公開講座(要申込)を実施するほか、庭園を舞台としたイベントを開催する。中山恒三郎家・商店を通じて川和の歴史に触れて頂きたい。
日時:2019年11月28日 (木曜日) ~ 2019年12月10日 (火曜日) 10:00 ~ 15:30(入場は15:00まで)
場所:中山恒三郎家(横浜市都筑区川和町890)
内容:
①現地公開ミニ展示 会場:中山恒三郎家書院座敷 ②資料整理作業現場の公開 会場:中山恒三郎家諸味蔵 ③公開講座【事前申込】会場:川和町内会館 ・2019年11月30日(土曜日) 講師:小林光一郎(当館学芸員)
・2019年12月8日(日曜日) 講師:吉田律人(横浜開港資料館調査研究員)
・定員:各回ともに70名(応募者多数の場合は抽選)
④公開イベント「Flowers-舞踊と音楽と食の総合芸術ー」【申込不要】
・日時:2019年12月1日(日曜日) ・会場:中山恒三郎家書院前庭園
・開演:12:00(開場:10:00) ・定員:先着60席・立見可 ・企画運営:よこはま芸術プロジェクトPASSAGE
・お問合せEmail:passage.art.yokohama@gmail.com)
<中山恒三郎家店蔵及び書院>
文政年間に始まる中山恒三郎家は酒類問屋・醤油醸造等を営んだ大商店で、庭園の松林圃は観菊で名をはせた。当主は恒三郎を襲名し地域のリーダーとして貢献した。近年古文書等数万点が発見され研究が進められている。 旧街道沿いからは小高い丘上の樹林地を後背とした屋敷地を臨むことができる。屋敷地内に保育園舎が新設されることに伴い、新しい機能等と共存しつつ、横浜北部地域の商業・社交などの中心的な場であった往時の風景を偲ぶことができる。
店蔵は、切妻造・土蔵造、 総2階建。比較的改造が少なく建築当初の形式をよく留めている点が重要で、1階の広い店舗内空間や前土間の建具構えの形式等に醤油製造や酒卸を手広く行った大規模商家の店舗の実態を知ることができる点において価値が高い。 また、書院は1872年竣工。寄棟造・木造、 平屋建。 明治初期の素封家本邸に付随する上質な別棟書院が、屋根形式や配置などに変化を見せながら存続してきたもので、その履歴も含めて貴重な存在であるとして、2018年3月30日、横浜市認定歴史的建造物に認定された。
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