令和3(2021)年4月19日に横浜市環境影響評価条例に基づき計画準備段階事業者である日本郵船株式会社と三菱地所株式会社から「計画段階配慮書」が届出られた同計画については、公告・告示(令和3(2021)年5月14日から5月28日まで)、審査会(令和3(2021)年5月18日)での審議等を踏まえ一部配慮内容を変更し、令和3(2021)年9月10日、「第2分類事業判定届出書」が提出された。
変更事項は、「事業計画の概要」「施設配置計画」「駐車場計画、自動二輪・自転車駐車場計画」「事業スケジュール案」など多岐に渡るが、もっとも着目すべき点は、「1.2 事業の目的及び必要性」の中で、計画段階配慮書では「横浜市景観計画において「歴史的建造物」に位置付けられている横浜郵船ビルを保全・活用することで(以下略)」と表現されてた部分が、「第2分類事業判定届出書」では「横浜市景観計画において「歴史的建造物」に位置付けられている横浜郵船ビルの大部分を保全・活用することで(以下略)」と変更されている点であろう。
さらに「1.3.2 施設配置」では「・・上位計画に基づき、歴史的建造物である横浜郵船ビルの大部分を保全・活用する計画とし(以下略)」が「・・上位計画に基づき、歴史的建造物である横浜郵船ビルを全面的に保全するとともに、活用にむけて必要な改装を行う計画とし(以下略)」となっており、そこに付されている施設配置図には、「計画段階配慮書」では高層建築物の一部として取り込まれていた横浜郵船ビルが、高さ99mの高層棟に並んで「保存建物」としてその全部が独立して配されている。
以下に「計画段階配慮書」と「第2分類事業判定届出書」の比較を記す。
| 計画段階配慮書 | 第2分類事業判定届出書 |
届 出 | 令和3(2021)年4月19日 | 令和3(2021)年9月10日 |
計画段階事業者 | 日本郵船株式会社 三菱地所株式会社 | 日本郵船株式会社 三菱地所株式会社 |
事業の種類及び規模 | 高層建築物の建設(第2分類事業) 建築物の高さ:約99m 延べ面積:約88,600m2 | 高層建築物の建設(第2分類事業) 建築物の高さ:約99m 延べ面積:約81,400m2 |
「1.2 事業の目的及び必要性」における横浜郵船ビルに関する記述 | 横浜市景観計画において「歴史的建造物」に位置付けられている横浜郵船ビルを保全・活用することで、関内・関外地区のまちづくりに貢献する計画を進めます。 | 横浜市景観計画において「歴史的建造物」に位置付けられている横浜郵船ビルの大部分を保全・活用することで、関内・関外地区のまちづくりに貢献する計画を進めます。 |
表1.3-1 事業の概要(抜粋)
| | 第2分類事業判定届出書 |
主要用途 | オフィス・商業・教育施設等 | オフィス・商業・教育施設等 |
建築面積 | 約8,600m2 | 約6,500m2 高層棟 約3,500m2 低層等 約 500m2 保存建物 約2,500m2 |
延べ面積 | 約88,600m2 | 約81,400m2 高層棟 約72,800m2 低層等 約 1,200m2 保存建物 約 7,400m2 |
建築物の最高高さ | 約112m | 約99m 高層棟 約99m 低層等 約18m 保存建物 約26m |
建築物の高さ | 約99m | 約99m 高層棟 約99m 低層等 約18m 保存建物 約26m |
階数 | 地下 2階 地上22階 塔屋 2階 | 高層棟 地下 1階 地上21階 塔屋 1階 低層棟 地上 2階 地下 2階 塔屋 1階 保存建物 地下1階 地上7階 |
工事予定期間 | 2023年〜2027年 | 2022年〜2026年 |
供用開始時期 | 2028年 | 2027年 |
脚注 | | 注)保存建物は横浜市景観計画において歴史的建造物に位置付けられている既存の横浜郵船ビルとなります。 |
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