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[歴湯_07]鎌倉市材木座「清水湯」

更新日:2022年12月24日



鎌倉市材木座、水道路から脇道に入った住宅街の一画に店を構える築約60年の老舗銭湯「清水湯」。材木座海岸にも近い場所がらから、ご近所だけでなく、サーファーや学生の利用者も多い。外観は関東大震災後に関東圏内で人気となった寺社造り風である。波を型どった鬼瓦が付く玄関口の暖簾を潜り、銭湯特有の木札の付く下駄箱に靴を預けて店内に入る。

寺社造りの銭湯では、脱衣室の天井は格子状の格天井(ごうてんじょう)又は折上げ格天井が多いが、こちらでは天井仕上げの上に別に中央部は1枚板を張り、外周は丸太で縁取りを付けた珍しい仕上げとなっている。関東圏の銭湯の湯船は、脱衣室と向かい合う壁際に設けられることが多く、関西圏では浴室中央に丸や八角形で設けられることが多い。一方清水湯の湯船は、浴室中央に奥から脱衣室に向かって伸びた楕円型が特徴的である。ペンキ絵はなく、鯉と金魚のタイル絵が中央の湯船奥の部分のみ貼られている。床は六角タイル、壁は角タイル、天井は銭湯特有の船底天井となっている。

湯船の両脇に設けられたカランでさっと身体を洗い、中央の湯船に浸かる。出入りを繰返していると外の寒さで冷えきった身体も温まってきた。

浴室を出ると馴染み客同士がにこやかに談笑している。そう言えば、入店前も銭湯の前で談笑するご近所の方々を目にした。銭湯は単なる公衆浴場ではなく、ローカルコミュニティの場としても機能している。そんなことを考えながら外に出ると、すっかり暗くなった街中に、銭湯の暖簾が淡く光っていた。以前は市内にも多数あったであろう銭湯も、今では清水湯の他3軒を残すのみである。



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