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[レポート]鎌倉市旧図書館が放課後かまくらっ子おなり新施設(鎌倉市旧図書館)内覧会【THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA】



令和5年(2023年)3月27日(月曜日)に、鎌倉市旧図書館が「放課後かまくらっ子おなり(放課後子どもひろばおなり・おなり子どもの家「こばと」)」としてオープンする。

このオープンに先立ち、令和5(2023)年3月21日、オープニングセレモニーとあわせて実施された内覧会の様子をレポートする。

内覧会は午前中の招待者を対象としたオープンニングセレモニー及び内覧会後、午後から事前申し込みの参加者を対象として各回20名で5回行われ、THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWAは午後15時15分の最終回に参加した。



鎌倉市旧図書館は関東大震災で倒壊した初代の町立図書館(1911)の再建築が財政的に困難であったところ、間島弟彦氏の意志を受け継いだ間島愛子夫人からの寄付により、昭和11(1936)年、御成小学校敷地内に建設された。当初の設計者や施工者は解っていない。

増築・改修を繰り返しながら、昭和49(1974)年までは図書館として、その後は庁舎として利用されてきたが、平成26(2014)年には老朽化を理由として閉鎖・解体することが決まった。

しかし、平成27(2015)年、有識者や市民団体からの意見等を受け保存活用する方針に変更された。その後、一時中断などもあったが耐震診断、基本設計、改修工事と事業が進められ、この度、「放課後かまくらっ子おなり(放課後子どもひろばおなり・おなり子どもの家「こばと」)」としてオープンすることとなったものである。


<外観>

旧図書館は、縦長の上げ下げ窓が並ぶ洋風の壁面に、瓦屋根を載せた和洋折衷のデザインとなっており、壁下の青灰色の二丁掛スクラッチタイルや両切妻に懸魚のついた破風板が設けられている。

今回の改修にあたっては、道路側からの外観を創建当初に戻しつつ、裏側にトイレやエレベーターなどの木造増築部を、東側の少し奥まったところにプレイルームとなる平屋の鉄筋コンクリート造増築部を配しており、隣接する御成小学校旧講堂や校門である冠木門と連続した今小路通りの景観に配慮した構成となっていた。


基礎から土台上まで連なっていた壁下の青灰色の二丁掛スクラッチタイルは、腐朽が進んでいた土台の交換に伴い、土台部と基礎部の間に水切りを設け、土台部のタイルは石膏型から手作業で成形・着色した復元タイルで復元している。




<1階 - 玄関ホール>

玄関は過去に数回大規模改修・増築が行われてきており、今回の改修では当初設計を参考としつつ、バリアフリー化等への対応のため再現とはしていないが、内外装の撤去工事中に発見された当初のものと思われるモザイクタイルが発見されたため、存置し、床の一部をガラス張りとし、見ることができるようにしている。



<1階 - 図書室(旧児童閲覧室)>

図書室は、柱や梁に化粧材が取り付けられており、旧図書館の意匠的な特徴が最も現れた

部屋となっている。腰壁の箱目地下見板を新財で復元、化粧柱型(2本)とアーチ状になっている粧梁型(4本)は再利用し復元されている。




<1階 - 相談室・倉庫1(旧事務室・旧小使室)>

旧事務室・旧小使室には間仕切り壁が作られていたが広さを確保するため再建せず、間仕切り壁の位置にあった柱だけを存置させている。


<1階 - 廊下>

旧図書館の本棚が展示棚として設置されおり、調査・解体時に外されたタイルや柱などの部材が多数展示されている。



<1階 - プレイルーム>

今回の改修による鉄筋コンクリート造の増築部。妻側に大きな開口があり広く、明るい印象を受ける。



<階段>

階段は後年の改修で貼られていたベニヤ板やカーペットを撤去し、当初の状態に戻し、塗装している。2階の階段室には三連窓が修理され再利用されている。



<2階 - 子ども室1>

2階にあった旧夫人閲覧室と旧一般閲覧室を一体として「子ども室1」とし、耐震上必要な袖壁のみを加いている。上げ下げ窓は滑車を交換し、分銅の重さを再調整するなど、全て修理して再利用している。


<2階 - 子ども室2>

小屋組がそのまま存置されいる。


<まとめ>

歴史ある御成小学校の学童保育施設として保全活用されることとなった鎌倉市旧図書館。ここに至るまでには、バリアフリー対応への要望、腐朽範囲が想定以上であったことが明らかになったこと、関連して市の予算が凍結されたことなど、様々な苦難があった。これまでの関係者の尽力に敬意を表し、今後の発展的な活用に期待したい。


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