横浜三塔は、外国船員がトランプのカードに見立てて呼んだことが由来とされる、キング=神奈川県庁(1928年築・国指定重要文化財)、クイーン=横浜税関本関庁舎(1934年築・市認定歴史的建造物)、ジャック=横浜市開港記念会館(1917年築・国重要文化財)のこと。平成19(2007)年、横浜観光コンベンション・ビューローが、毎年3月10日を三塔との語呂合わせで「横浜三塔の日」と制定した。
横浜三塔には、この「三塔を一度に見られる場所を1日で回ると願いが叶うとという」都市伝説(諸説あり)があり、「横濱三塔物語」と呼ばれている。
横浜三塔
<神奈川県庁本庁舎=キング>
所 在 地:横浜市中区日本大通1
構造・規模:鉄骨鉄筋コンクリート造地上5階・地下1階・塔屋4階建て
建 築 年 代:昭和3(1928)年
設 計:神奈川県内務部(設計コンペ1等入選(小尾嘉郎案)を元に設計)
施 工:大林組
指定・認定:国指定重要文化財・経済産業省近代化産業遺産
<横浜税関本関庁舎=クイーン>
所 在 地:横浜市中区海岸通1-1
構造・規模:鉄骨鉄筋造地上5階・屋階及び塔屋付
建 築 年 代:昭和9(1934)年
設 計:大蔵省営繕管財局工務部
施 工:戸田組
指定・認定:市認定歴史的建造物
<横浜市開港記念会館=ジャック>
所 在 地:横浜市中区本町一丁目6番地
構造・規模:煉瓦・鉄骨煉瓦及び鉄筋コンクリート造2階建・地下1階、塔屋付
建 築 年 代:大正6(1917)年
設 計:山田七五郎(設計コンペ1等入選(福田重義案)を元に設計)
施 工:清水組
指定・認定:国指定重要文化財
※現在、横浜市開港記念会館は、老朽化に伴う改修工事のため休館中。
三塔スポット(ビューポイント)
横浜三塔を同時に見ることのできるスポットとしては、日本大通りの神奈川県庁の正面、象の鼻パーク、赤レンガパーク、大さん橋国際客船ターミナルがよく知られている。
<日本大通り>
日本大通りの神奈川県庁東庁舎前に三塔スポットのプレートが埋め込まれている。正面に神奈川県庁本庁舎(キング)、その左に横浜市開港記念会館(ジャック)、右に横浜税関本関庁舎(クイーン)を見ることができる。三塔スポットのプレートは、平成14(2002)年の日本大通り再整備にあわせて設置された。
<象の鼻パーク>
象の鼻パークにある象の鼻防波堤の先端に近い場所に三塔スポットのプレートが埋め込まれている。右手前に横浜税関本関庁舎(クイーン)、やや奥まった左に神奈川県庁本庁舎(キング)、中央の建物の奥に横浜市開港記念会館(ジャック)の塔の先端を見ることができる。プレートのデザインはNDCグラフィックス。2009年の象の鼻パークの整備に合わせて設置された。
<赤レンガパーク>
赤レンガパークの大さん橋側の角にも三塔プレートが設置されている。後述の大さん橋国際客船ターミナルと同時期に設置。象の鼻突堤越しに三塔を見ることができる。
<横浜大さん橋国際客船ターミナル>
横浜大さん橋国際客船ターミナルの先端部に近い、大さん橋ホールの上部に三塔スポットがある。足元には白いペンキで足跡マークが描かれており、さらに大さん橋ホール前の広場には大きなグラフィックが描かれている。これらのグラフィックは、象の鼻パーク、赤レンガパークと同様にNDCグラフィックスが手掛けたもの。平成18(2006)年、当初、横浜大さん橋国際客船ターミナルの管理を行ってい横浜市港湾局からは足元のマークだけの依頼であったが、相談を受けたNDCグラフィックスの中川憲造氏の提案によりこのダイナミックなグラフィックが実現した。
かなり遠い位置ではあるが正面右側から順に神奈川県庁本庁舎(キング)、横浜市開港記念会館(ジャック)、横浜税関本関庁舎(クイーン)を見ることができる。
その他の横浜三塔関連スポット・グッズ
三塔が同時に見ることのできる場所以外にも、みなとみらい線日本大通り駅と横浜駅東口地下街には横浜三塔をテーマとしたスポットや、三塔をテーマにしたお土産などがある。
<日本大通り駅>
日本大通り駅でみなとみらい線を降りたら駅コンコースにある「三塔広場」。横浜三塔が描かれた柳原良平デザインの横浜三塔を題材としたレリーフや足型マークがある。
<横浜駅東口地下街ポルタ>
横浜駅東口地下街ポルタの横浜駅側入口大階段上部に設置されているアートゲー「PORTA横濱三塔物語」は、横浜出身のグラスアーティスト野口真里氏が制作した横浜三塔をシンボルモニュメントとしたガラスのオブジェ。
「お菓子を通じて横浜の歴史・文化を継承する」を企業理念とするモンテローザ(株式会社三陽物産)が提供する、横浜三塔にちなんだ三つの味(チョコチップ、アールグレイ、ナッツ、オレンジ)が楽しめるスティックケーキ。可愛いパッケージが人気。
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