[歴飯_59]手打ちそば くりはら
- heritagetimes
- 2020年11月15日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年11月16日

東名高速道路秦野中井インターチェンジから車で北西に向かい、の金目川の支流室川沿いを15分ほど進むと、右手に見えてくるのが「手打ちそば くりひら」である。
「生蕎麦」と掲げられた門を抜けると、趣のある庭が迎えてくれる。昼どきは混んでいるようで、満席で少しその庭で待つことになったが、コンパクトながら、灯籠、紅葉、台杉が整った庭と、干し柿がさがった古民家の風情が目を楽しませてくれて飽きない。
少しして、店内に呼ばれた、奥の座敷に案内された。

早速、メニューの中から、かけそばを選び注文した。庭側にガラス戸が大きく広がっている店内は明るい。座敷の奥もガラス戸となっており、その先に蹲を備えた中庭がある。テーブルごとに客をもてなすように季節の花が添えられており、落ち着きのある、心地の良い空間となっている。年季の入った柱や梁から、この建物の歴史を窺うこともできる。店の方に聞いたところ築90年近く、昭和初期の建物であるとのこと。

しばらくするとかけそばが運ばれてきたので早速いただく。蕎麦は香りたつ喉越しが柔らかい細麺。つゆは透き通る出汁の効いた優しい味。全体が丁寧に作られていることが伝わってくる。箸休めの漬物をつまみながら、一気にいただいてしまった。
コトコトと音がするので、そちらに歩み寄ると、店内から蕎麦を打っている様子を見ることができた。確かに手打ちであることが確認できる。

蕎麦を食べ終えると、鉄瓶に入れられた蕎麦湯が運ばれてきた。とろみがある濃厚な蕎麦湯を器にうつすと、一気に蕎麦の香りが広がった。あまりにも美味であったため、店の方に伺ったところ、ここでは蕎麦湯は蕎麦の茹で汁ではなく、別に作っているとのこと。
蕎麦湯でスッキリしたところで、お土産に「今だけ」だと張り紙あった茹でピーナッツと採れたて地元野菜も合わせて会計を済ませ、店を後にした。


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