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[記者発表]文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)について【文化庁】

更新日:2022年7月27日


国の文化審議会(会長:佐藤信)は、令和4(2022)年7月22日(金)に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、新たに136件の建造物を登録するよう文部科学大臣に答申した。


神奈川県内からは、本覚寺(本堂・客殿・庫裏・分骨堂・鐘楼・手水舎・楼門・大門)[鎌倉市]、小田原宿なりわい交流館(旧角 吉(かどきち)店舗)[小田原市]、旧本多家住宅主屋[逗子市]、旧足立家別邸主屋[葉山町]が答申された。


<登録有形文化財(建造物)の新登録>

 

本覚寺[藤沢市]

[本堂]大正12年

[客殿]昭和5年

[庫裏]昭和前期

[分骨堂]昭和5年

[鐘楼]昭和6年

[手水舎]昭和前期

[楼門]安政2年/明治9年移築・平成25年改修

[大門]昭和前期


若宮大路の東に位置する日蓮宗寺院。本堂は桁行七間、梁間七間、正面に軒唐破風の向拝を付す。小屋組はトラス組として軽量化を図る。棟梁は十代伊藤平左衛門が務め、建立直後の関東大震災を乗り越えた。客殿は本堂東正面の南側に並び、入母屋造りの式台玄関を付し、銅板葺きの庇を三方に巡らす。内部は10畳の座敷を三室並べ、本堂側を上座敷として床構えを設ける。庫裏は切妻造り桟瓦葺きの東西棟で、入母屋造りの玄関を付す。内部は四室を田の字に配し、南西間を床構え付き座敷とする。本堂北の分骨堂は日蓮上人の分骨を納める廟堂で、方一間の身舎に裳階を付す。鐘楼は本堂の北東、石積基壇上に建ち、干支の透彫欄間等、装飾豊富な鐘楼。手水舎は本堂の東にあり、欄間を龍や鳳凰の彫刻で飾る等、小規模ながら質の高い彫刻で華やかに飾る。楼門は、伽藍東辺の夷堂橋西詰にある門。下層両脇間に金剛力士像を安置し、上層は一室の板敷、鏡天井とする。大門は伽藍北辺の小路に開く高麗門で門扉を省略する。装飾施した二段の絵様肘木や板蟇股等の木柄太く、寺院の風格を示す。昭和の造営は本堂の副棟梁堀田太吉によるもので、関東大震災後の伽藍復興の様相を伝えるとともに、鎌倉の歴史的風致を形成する。

 

小田原宿なりわい交流館(旧角 吉(かどきち)店舗)[小田原市]

・昭和7年/平成13年改修


小田原宿中心部にある漁網店の二階建て店舗で、出し桁造り、二階の出格子、下見板張り外観が特徴的。一階は土間と15畳のミセ、二階は漁具の作業場とした。水産業の歴史的景観を伝える。現在、観光拠点として活用。

 

旧本多家住宅主屋[逗子市]

・昭和13年


逗子駅近くの山裾にある洋風住宅。久米権九郎の設計で、束ね式の小柱と横架材を用いた 久米式耐震木骨構造とする。その外側をモルタル仕上げとして、開口部廻りに擬石をあしらい、バルコニー腰壁にメダリオンを飾る。

 

旧足立家別邸主屋[葉山町]

・昭和8年/令和2年改修

葉山町西部の山裾に位置する実業家の別邸で、設計は佐藤功一。ハーフティンバーとガラ ス窓を多用した外観が特徴。内装材には王子製紙製繊維板のトマテックスを多用する貴重 な住宅。

 






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