top of page
heritagetimes

[歴飯_170]64Cafe+Ranai

更新日:2024年8月6日



タワーマンションが建ち並び、急速に発展を遂げた武蔵小杉エリア。武蔵小杉駅からイトーヨーカドーの裏を抜けた先の住宅地に大きなクスノキと店名が書かれたチョークアートが目を引くカフェがある。そこが今回、歴飯で訪れた「64Cafe+Ranai」である。

元々は旗竿敷地の奥まった場所であったと思われるが、周りの建物が取り壊され、駐車場となっているために通りからも見渡せるようになっている。



前庭のテラス席を抜けて入口の扉を開けると、スタッフが穏やかに迎えてくれる。

日曜日のランチタイムとあって店内はほぼ満席。外のテラス席は空いていたが、この日は猛暑であったため、店内で1席だけ空いていた一人がけの席に案内いただいた。

お冷と一緒に渡されたランチメニューから、「自家製タコソースとたっぷり野菜、目玉焼き付き」と書き添えられたタコライスとセットドリンクのグレープフルーツジュースを注文した。



改めて店内を見渡すと様々なイスやテーブルを組み合わせたテーブルセットが4セットあり、全部で15席ほど。木造平屋の店内は天井現しになっている。構造としては昭和の典型的な日本家屋だが、床はフローリング、丸太の横架材からはアンティークなデザインのシャンデリアが、また棟木からはシーリングファンが吊られていて、ハワイアンな店の雰囲気を整えている。建築年代は店名からもわかるように1964年(昭和39年)とのこと。武蔵小杉周辺には、日本電気(NEC)や東京機械製作所などの工場があり、また高度経済成長を背景に多くの人口流入があり、それに応じて多くの住宅が建設された時代である。それから築60年を迎えたことになる。



テラス側に眼を移すと、開口部は大きいガラス引戸となっていて空間的にテラス席と屋内が

繋がっているようにも見える。店名の「ラナイ(Ranai)」はハワイの建築様式で住宅の下屋の下に設けられる板張りのベランダやポーチ」という意味がある「lanai」に、ここでのんびり「relax」してもらいたいという思いをプラスして、「L」を「R」に変えたものとのこと。つまり、このテラスこそ、店名の由来であると言える。テラスにも2人がけのテーブルセットが4つほど置かれており、そこに先ほど通りからよ見えたクスノキが下屋を突き抜けて枝を広げて涼しげな木陰を作っている。



そうしているうちに注文した品が運ばれてきた。タコライスは辛味が調整できるようチリペッパーが別になっている。メニューに謳われていた通り、野菜はたっぷりで、シャキシャキした新鮮な食感が残されている。自家製タコソースも爽やかな味で口当たりが良く、堪能しながらゆっくりと食べ進めることができた。グレープフルーツジュースで口の中をさっぱりとさせながら、もう一度店内をよく見渡すと、本や絵本がいくつも並んでいた。



和洋、ジャンルは様々だが、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」やフィッツジェラルドの「グレートギャッツビー」といったアメリカ古典文学がラインナップされていたのも店の雰囲気にあっているように思う。などと考えながら会計を済ませ店をでた。ランチも良いが、今度はまったりと読書しながらのカフェ利用などもしてみたい。




閲覧数:27回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Bình luận


bottom of page