[歴飯_176]麻葉屋の勝手口 古民家縁側cafe
- heritagetimes

- 2024年9月16日
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連日多くの来訪者で賑わう鎌倉市の鶴岡八幡宮。境内にある国宝館や研修道場の前を抜け、横浜国立大学教育学部付属鎌倉小学校の敷地に沿って続く小径を歩いていくと、右手に風情のある古民家が見えてくる。この古民家は内神田で幕末から続いた桐材専門の材木商「麻葉屋」の店主の自邸として建てられたそうで、築100年の歴史を持つ。内神田は徳川家康が江戸に入城した天正18(1590)年頃から、城下の築城に使う木材を相模国(さがみのくに)から運び込んだ荷上場「鎌倉河岸」があったことに由来し、「鎌倉町」の町名が残る地域である。

路地側の裏口から敷地内に入り、正面の小屋で注文を済ませると、広い縁側の付いた古民家に案内される。手入れの行き届いた庭の隅にある「つくばい」が目に留まり、奥を覗くと茶室(非公開)もあるようだ。縁側は大きなガラス戸に改修されており、一部庇の付いた屋外の席もある。店内に入ると、庭に面した2間が客席となっている。

小さいながらも存在感のある床の間には白樺と思われる床柱が付き、間柱も丸柱の一部を面取りした拘った造りとなっている。アンティークの照明や手回し式のミシン等レトロな家具で溢れた店内に座ると、掛け時計の振り子の音と庭から聞こえる蝉の声だけが聞こえるどこか懐かしい心地よい空間に浸れる。店内は間接照明を中心としていることもあり、薄暗い室内からは庭の緑が良く映える。

暫くすると、注文した麻葉屋ブレンドと豆乳の抹茶プリンが運ばれてきた。抹茶プリンは甘さ控えめだが、抹茶がしっかりと香り、上に乗せられたきな粉とつぶ餡が良いアクセントとなっている。酸味と苦みが少ないオリジナルブレンドともよく合っていた。他にも豆腐と米粉を使ったケーキ「勝手なショコラ」も気になったので、再訪した際は注文してみたい。

JR鎌倉駅東口からも徒歩圏内で散策しやすい場所にあるので、鎌倉と東京のつながりを感じる由緒ある古民家で、日々の喧騒を忘れてゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがだろうか。

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