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[歴鉄_03]D51-516 | 横浜市・本牧市民公園

更新日:2020年6月28日




本牧市民公園は昭和43(1968)年まで続いた本牧埠頭関連造成用地の海面埋め立てにより、海を失った人々や港で働いていた人々のために、テニスコート、運動広場、池などの施設を整備し、昭和44(1969)年に横浜市によって開園された総合公園である。

この公園の中央よりやや西側にある広い芝生広場と運動広場の間にD51-516が置かれている。平成31(2019)年に再塗装がなされており、とても美しい状態で保存されており、遠目にも黒く光る車体が手前の芝生の緑に映える。

フェンスに囲まれてはいるが、公開時間中はその中に入ることができる。運転室にも入ることもでき、実際に使われていた装置や計器を間近に見て、触ることができる。



D51-516は昭和16(1941)年に旧国鉄大宮工場で製造され、首都圏や東北本線などで活躍した後、昭和44(1969)年新鶴見機関区に配置され昭和45(1970)年11月28日廃車されたものを横浜市が借受けこの地に静態保存、昭和46(1961)年3月7日に公開された。この時には、横浜市電1205号も同時に静態保存、公開(後に撤去解体)されたため大いに賑わったという。

現在、市電のあった場所には転車台(ターンテーブル)が保存されている。D51-516の足元からレールが繋がっているのが嬉しい。



このターンテーブルは、旧横浜機関区高島車庫で使用されていたものを移設し、平成3年4月に公開したものである。当初はターンテーブルを通ることができたが、現在は閉じられている。

横浜機関区は、現在のみなとみらい1丁目付近にあった旧国鉄の貨物駅「高島駅」に併設されていた機関区で、1970年代まで横浜の鉄道貨物輸送の中心であった。高島車庫はその横間機関区の車庫で扇型庫とそこに機関車を収めるためのターンテーブルを擁していた。そのターンテーブルが機関区廃止後、本牧市民公園に移設されたものである。



ターンテーブルには、制御用の操作小屋とストップバーがある。操作小屋には銘板が付いており、そこには「福島市三河北町㈱福島製作所 / 二輪式轉車台電動牽引機 / 形式:F4型重量式 / 製造年月:30.12 / 製造番号:275 / 登録番号:389574」と記されていることから、昭和30(1955)年以降に高島車庫のターンテーブルに設置されたと推察される。

横浜にもゆかりのあるSLと、横浜の貨物輸送を支えたターンテーブルを一度に見られるのは幸運と言えよう。隣接にはその鉄道輸送に支えられた生糸貿易で財を成した原三溪の庭園、三溪園もある。一度、三溪園に訪れた帰りにでも寄るのも良い。





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