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[歴飯_62]mokichi cafe

更新日:2020年12月11日


湘南に残されたただ一つの蔵元明治5(1872)年創業「熊澤酒造」。日本酒やビールの製造工場がある茅ヶ崎市香川の本社敷地内に、古い酒蔵や古民家を利用したレストランやカフェ、ショップを展開している。

敷地に一歩踏み入れると、緑のアーチに覆われた大谷石が敷き詰められた小径があり、左手にビール工場を見ながら進んでいくと、中央にメタセコイアの大木がそびえ立つ広場があり、その広場を囲い込むように古民家や蔵、趣ある工場の建物が配置されており、一つの町のうようになっている。

その古民家や蔵がそれそれ個性的なカフェやレストラン、ショップになっており、どの店に入ろうかと迷ってしまうが、その中から一番手前に店を構えているmokichi cafeを選び、中に入った。メタセコイアの広場に向けてガラスの開口部があり、店内は明るい。カウンターでホットドッグとコーヒーを注文し、会計を済ませると、呼出機を渡される。

渡された呼出機とセルフサービスの水を持って、席を探す。1階の客席部分は吹抜状になっており、大屋根まで続くように組まれた立派な張り梁を下から見上げることができる。建物全体はステップフロアになっており、それぞれ違った雰囲気で過ごすことができるなっている。その一番上、厨房の直上に当たる2階部分の一番奥のテーブルに席をとった。アンティーク調のテーブルを挟んで、ベンチは一見して年季の入ったチャーチチェアとわかるものが配されていた。

注文したものが出来上がるまでの間、あたりを見て回る。このカフェが入っている建物は東北地方にあった築200年以上の木造建築を移築したもの。元々大正時代に酒の道具を収納していた土蔵倉に増築する形で連なっている。現在その土蔵倉の1階には、パンやソーセージなどを販売している「mokichi baker&sweets+wurst」が、地下には、お酒やビールを販売している「蔵元直売所 地下室」が入っている。

店内のあちらこちらに、酒蔵の古道具や本、アート作品などが飾られており、その多くは販売もされている。温かみのある照明が決して明るすぎることなく配されており、全体として落ち着きのある、居心地の良い空間となっている。

あたりを見回しているうちに、注文の品ができたことを知らせる手元のチャイムがなった。

出来立てのホットドッグと香りが際立つコーヒーを席に運んだ。

パンはビールの製造工程でロス分として出るビール酵母を使っている、やや歯応えのしっかりしたパン。自家製のソーセージが挟まっており、一口食べただけでもソーセージの肉汁が口いっぱいに広がる。これ一つで十分な食べ応えと満足感を得ることができる。

コーヒーとホットドッグを交互に口に運び、ゆっくりといただいた。至福の時間であった。

食後に、パンやビールなどのお土産を買った後、またメタセコイアの広場を抜け、敷地内を散歩させていただだいた。創業当時、酒樽や道具の修理製作を行う工房だった桶場と呼ばれた倉庫を改修したお店「okeba gallery & shop」には、ハンドクラフトやアンティークが綺麗に並べられていて、見ているだけでも楽しい。また、敷地内にある他のレストランも魅力的である。是非、次回は他の店舗にも立ち寄りたいと思いながら、熊澤酒造を後にした。


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