[歴飯_88]gula
- heritagetimes

- 2022年2月9日
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銭洗水(ぜにあらいみず)として鎌倉5名水にも選ばれる銭洗弁天宇賀福神社。3方を岩山に囲まれ清水の湧く境内は神聖な空気に満ちている。そんな境内奥の石段を上がった先に土曜日と祝日のみ営業している古民家カフェ「gula」はある。 外観は改修されており、一見古民家には見えないが、2階の丸窓から改修前の面影を感じる。

玄関を上がり、気さくな店主の案内で奥の座敷に入ると、正面の火灯窓(かとうまど )(花頭窓とも書く)に暫し目を奪われる。火灯窓は鎌倉時代に仏教建築(円覚寺舎利殿に代表される禅宗様)の伝来と共に使われ始めた窓の形式で、炎や花片のような上枠の形から名付けられたそうだ。仏閣だけでなく、城郭、書院造り、数寄屋造りの邸宅と格式の高い部屋に好んで使われてきた。敷地は傾斜地に面しており、2面に設けられた窓からは斜面の緑が視界いっぱいに広がる。部屋を見渡すと古道具やアンティークの家具が飾られており、居心地が良い。 ちょうど先客が一通り帰った後だったようで席が選べたので、波文様の素敵な摺ガラスに組子細工のついた窓際の席に着いた。メニューはお茶や珈琲にお菓子付きで、何と一律300円、飲み物だけなら200円である。

今回は、紅茶とアップルパイのセットを注文した。一品ごと時間をかけ丁寧に提供されるお茶や手作りのお菓子と、店内の雰囲気も相まって、時間が経つのを忘れる心地良さである。 店主によると、昭和6(1931)年に建てられた住宅を買取り、建具など当初の雰囲気を残しながら改修したとのことである。台所脇の和室は傘天井(傘の内側のような天井仕上げ)、床柱には椰子の木が使われ、床の間脇には丸窓に掛け障子が付くなど、随所に建主の拘りを感じる素敵な古民家である。銭洗弁天に参拝の際は、是非立ち寄ってみてはいかがだろうか。


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