[歴飯_124]AQUA OLIVINE(アクア オリビン)
- heritagetimes

- 2022年12月15日
- 読了時間: 2分

今回の歴飯は、海岸通りと日本大通りの結節点、海辺のレトロビルヂング「昭和ビル」の2階に店を構えるAQUA OLIVINEを訪ねた。「昭和ビル」の構造は鉄筋コンクリ―ト造(以降「RC造」という)だが、外観はスクラッチタイル張りで、中央部は2階以上の階に凹凸を付け、一部をタイルで仕上げている。関東大震災後の昭和7(1932)年竣工とされているが、この時代にはRC造の外観をスクラッチタイルで彩った所謂アール・デコ様式(昭和元(1925)年に開催されたパリ万国装飾美術博覧会以降各国で流行した様式、ガラスや金属、タイル等の工業製品を用いた装飾的な外観等が特徴)の建築が市内に多く建てられた。日本大通り沿い横浜公園向かいに建つ、旧日本綿花横浜支店の店舗及び倉庫(横浜市指定有形文化財、横浜市認定歴史的建造物)等がその代表である。

「昭和ビル」をはじめ、象の鼻パークを囲むように建つレトロビル群は川崎鉄三により設計された。川崎は、アール・デコ様式の後半期の特徴であるシンプルデザインを意識したモダニズム建築を作風としていたが、活動期間が短く、ほとんどその作品は現存していない。
象の鼻パークに近い階段を上がり、ビル内に入る。温かみのある布面模様のタイルが張られた階段を上がった先にある扉をくぐると、正面に横浜港を望む窓辺に向かって座席が設けられている。

席に着き、ランチコースを注文する。前菜は、ドライトマトとオリーブのケークサレに海老と野菜のサラダが添えられている。旨みの詰まったケークサレは、上に乗ったピンクペッパーが良いアクセントとなっており、見た目も美しい。あっという間に食べ終えると、南瓜のポタージュが提供された。こちらはしっかりと裏ごしされた南瓜の程よい甘みとコクが美味しい。メインは魚料理と肉料理が選べたので、この日は牛肉の煮込みを注文した。スプーンでも切れるほど柔らかく煮込まれた牛肉と濃厚なソースが美味しく、食べ応えがある。洋ナシとマスカット、アイスクリームが添えられたフロマンジェと珈琲までしっかりと堪能することができた。
「昭和ビル」には[歴飯_22]Bay Side Bistro 1-1 & The Rooftopも入居している。海辺のレトロビルヂングで横浜港を眺めながら絶品の歴飯を堪能してみてはいかがだろうか。

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