[歴飯_125]喫茶ギャラリーAKI
- heritagetimes

- 2022年12月18日
- 読了時間: 2分

鎌倉駅東口から若宮大路に出て、材木座方面に向かう。鎌倉女学院高等学校の脇を抜け、滑川に架かる橋を渡ると右手に鎌倉では珍しい千本格子(線材の細かい格子)の入った外観が美しい町屋が見えてくる。
「喫茶ギャラリーAKI」は、大正10(1921)年に建てられた酒屋の店舗を35年前に古材を活かして建替えたとのことだが、随所に使われた古材や味わいのある建具、灯具が放つ風情は、大正の当初から其処に在った建物と言われても何ら遜色ない。

正面向かって右手の戸を開けて店内に入ると、左手に貸しギャラリー、正面の小さな土間が喫茶スペースとなっている。テーブル席脇には、旧家で使われていた引戸の付いた猫間障子(中央にガラス窓の付いた障子)や菱を3段に重ねた松皮菱の組子細工が嵌められている。組子細工とは、釘を使用せず木組みで作る模様であり、松皮菱は不老長寿の象徴としての松を表すことから縁起が良いとされている。

席に着き、キーマカレーと酒粕のレアチーズケーキ、珈琲のセットを注文した。野菜と鳥挽き、スパイスだけで作られたキーマカレーは、無塩にも関わらず野菜の甘さにスパイスが合わさり、しっかりとした旨味を感じる一品である。薫り豊かなスパイスは鎌倉で有名なアナン邸のスパイスを使用しているとのこと。酒粕のレアチーズケーキは、出羽桜の酒粕を使用しているそうで、生クリームを減らしているにも関わらず、しっかりとチーズケーキのコクが感じられ、仄かに薫る酒粕の風味が良いアクセントとなっている。
古民家が持つオリジナリティはなくとも、古材や古道具屋に囲まれた空間は、時にオリジナルに近い佇まいを放つ。古都鎌倉に経つ店主の拘りの空間で、絶品喫茶メニューを堪能してみてはいかがたろうか。

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