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heritagetimes

[歴飯_127]燕カフェ 鎌倉



JR鎌倉駅東口の若宮大路を進み鶴岡八幡宮の手前をから「北條高時腹切りやぐら」「祇園山ハイキングコース」へと向かい東勝寺橋の手前に

あるのが「燕カフェ」である。小さな看板を見逃せば住宅としか思えないほど街並みに溶け込んでいる。

質素な棟門をくぐり玄関から中をを覗くと、昼時だったためスタッフが「ただいま満席なので外でお待ちください」とのことだったので、玄関前に置かれた椅子に腰をかけて待つ。

ポカポカした冬日和の日差しが気持ちよく、店内から漂ってくる上品なカレーの香りに食欲刺激されながら、まったりとしていると、ちょうど先客が帰るタイミングだったようで、すぐに建物の中から「次のお客様どうぞー」とスタッフの声がかかった。

玄関で靴を脱ぎ、スタッフの案内に従い畳敷の客室の中央に置かれた座卓に座りメニューを見る。



この日のフードメニュー「薬膳おでん ご飯セット」と「薬膳カレー」の中から、先ほどの香りの印象から「薬膳カレー」を選択し注文した。

店内を見回すとアンティークとドライフラワーなどがセンスよく並べられていて、暖かみのある照明で落ち着いた空間となっている。薬棚を使ったサイドテーブル、古いミシン台の脚を使ったテーブルも可愛い。



スタッフによると昭和9(1935)年に建てられた古民家に最低限のリノベーションをして平成28(2016)年にオープン。店内のアンティーク類はオーナーが集めてきたものとのこと。

しばらくするとテーブルにカレーが運ばれてきた。

運ばれてきたトレーにはカレーと茶碗に盛られたご飯の他にナムルと水菜のサラダ、白和えが添えられていた。

クコの見が見た目のアクセントになっているカレーからはホワッと胡麻の香りが漂ってきた後に、スパイシーなカレーの香りが追いついてくる。一口、食べるとしっかりとストレートな辛味があるものの消して辛すぎない。ご飯や副菜と一緒にあっという間に食べ終えてしまった。



あまりにも居心地が良い空間だったので、もう少し長居をすることを決め、食後にドリップコーヒーを追加で注文した。

しばらくして有田焼古伊万里様式のカップに入ったハンドドリップのコーヒーが運ばれてきた。コーヒーは苦味が効いたブレンドで濃いめにドリップされていた。よく見るとカップやソーサーには金継ぎがところどころに施されていた。これもオーナーのこだわりなのかもしれない。さらに時間をかけて店内の様子を楽しんだ後、会計を済ませて店を後にした。

店の周辺には、元弘3(1333)年、鎌倉幕府滅亡の年、新田義貞らの鎌倉攻めにより屋敷を焼かれた第14第執権北条高時が、東勝寺に逃げ込み、一族郎党以下870余人とともに自害したことから鎌倉幕府滅亡の地ともいわれている「東勝寺跡(国指定史跡)」や「北條高時腹切りやぐら」、関東大震災復興期に架橋されたコンクリートアーチ橋「東勝寺橋」などもある。是非、鎌倉散策の際に立ち寄りいただきたい。





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