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[歴飯_159]薬膳喫茶KURA



小田原市板橋地区は、明治以降、政財界の要人が別荘を構える近代別荘地として発展してきた歴史を持つ。地区内には現在も、実業家の松永安左エ門の旧邸(松永記念館)や山縣有朋の旧邸(皆春荘)等の別荘建築が残る。今回の歴飯は、そんな板橋地区の洋館にオープンした「薬膳喫茶KURA」を訪ねた。



旧東海道沿いに建つ築約90年の邸宅は、左官職人の棟梁の自邸というだけあり、外観は人造石洗い出し仕上げ、正面にバルコニー、軒下にディンティルモール(四角が連続した歯のような装飾)が付く。正面1,2階は全て縦長の上げ下げ窓で、バルコニーの出入り口にもガラス戸が入る。



バルコニー下の扉から一歩店内に入ると、玄関には蛇腹装飾(壁と天井の間に入る装飾)、天井中央のメダリオンから灯具が下がり、一気にクラシカルな雰囲気へと惹き込まれる。玄関脇には旧応接間と思われる洋間があり、漆喰装飾のついた額縁に結霜硝子の建具が嵌る。下足入れに靴を入れ、室内に入ると、先ほどとは打って変わって和風の空間が現れる。正面にはカウンターキッチン、その向かい、かつては座敷と思われる部屋をフローリングに改修している。今回は押入れを改修したと思われる席に案内された。



同店では、薬膳や発酵をテーマに、身体に優しい飲食を提供している。今回は、薬膳煮込みハンバーグと薬膳茶を注文した。ハンバーグは、玉ねぎの代わりに長ネギとレンコンを、ソースには小田原産の梅酒を使用しているとのことだが、薬膳を強く感じさせない優しい味わいに食が進む。ご飯は大豆ライス、白米、黒米の同店オリジナルのブレンド米を使用しおり、異なる歯ごたえが食べていて楽しい。薬膳茶はその日の体調に合わせて、5種から選ぶことができ、やはり5種から2枚選ぶことができる薬膳クッキーが付いてくる。今回はグリーンルイボス、金木犀、サンザシ等をブレンドした「安心茶」に桑の実と金木犀のクッキーを注文した。金木犀の華やかな香りにサンザシの優しい酸味、クッキーの優しい味わいが食後のゆったりとしたカフェタイムを豊かにしてくれる。



食後には、気になっていた2階席も見学させていただいた。

廊下は天井のメダリオンから灯具が下がり、バルコニーのある窓辺まで洋風の空間が続く一方、中央は障子で仕切られた2間続きの座敷があり、和の空間を洋の空間が包んでいるためか、外部からは完全に洋館に見えるのが面白い。



同店のある板橋地区は、歴史まちづくり法に基づく小田原市の「歴史的風致維持向上計画(第2期)」の重点地区であり、旧東海道沿いには、旧内野醤油店店舗兼主屋(国登録有形文化財)([歴飯_107 ])TEA FACTORY如春園(旧下田豆腐店)([歴飯_138])等の歴史的建造物を活用した施設、その周辺には松永記念館等の拠点施設が点在しており、地区全体を歩いて楽しい。歴史散策を楽しみながら、身体に優しい薬膳喫茶で贅沢な御自愛休暇を楽しんでみてはいかがだろうか。



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