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[記者発表]鎌倉・若宮大路 明治33年創業の老舗酒屋「三河屋」が、8年のプロジェクトを経て、2026年5月30日に再オープン。全国初の官民学連携で建築基準法適用除外により、国の有形文化財の保存を実現【株式会社Daiyu】


紫陽花で賑わう6月の鎌倉。地域の待ちわびる声を背に5月30日(大安)についにオープン。創業以来、若宮大路・鶴岡八幡宮前で店を開け続けてきた老舗酒屋「三河屋」が、長い休業期間を経て待望の再出発を切る。

株式会社Daiyu(所在地:神奈川県鎌倉市、代表取締役:宮腰真里)と、明治33年創業の合資会社三河屋が共同で進めてきた保存活用プロジェクトにより、令和8(2026)年5月30日(土)、老舗酒屋である「三河屋」が再スタートを切った。三河屋は鶴岡八幡宮や建長寺、大佛次郎邸などにお酒を納め、鎌倉の発展を支えてきた地域を代表する老舗である。店頭に掲げられた屋号の看板は建長寺の管長が筆を執ったものであり、その信頼の厚さを物語っている。

先行して5月7日にオープンした結婚式もできるレストラン「鎌倉 三河屋本店」とともに、120年以上の歴史を誇る文化財建築を未来へと継承する。レストランには連日、昔の三河屋を懐かしむ方や地域の方々にご来店いただき、賑わいを見せている。

明治33年創業の合資会社三河屋。現在の建物は昭和2(1927)年に建造。国の登録有形文化財、鎌倉市の景観重要建築物等、日本遺産にも登録。若宮大路に現存する数少ない文化財である。


1. 官民学協働による8年の軌跡。全国初の「建築基準法除外」を適用

合資会社三河屋は、明治33(1900)年創業の老舗酒屋である。昭和2(1927)年に建造された現在の建物は、国の登録有形文化財および鎌倉市の景観重要建築物等となっており、鎌倉の歴史的景観を象徴する存在である。しかし、若宮大路沿いは防火地域に指定されているため厳しい規制があり、用途変更を伴う建物の維持活用は極めて困難な状況であった。

この課題に対し、平成30(2018)年より鎌倉市や専門家を交えた官民学協働プロジェクトを発足。学術専門家から「ゆくゆくは重要文化財になり得る貴重な建物」と高く評価される歴史的価値と、安全性の両立を目指し、8年におよぶ協議と実証を経て、「国の登録有形文化財かつ防火地域内木造建築における建築基準法適用除外」を全国で初めて実現しました。これは、鎌倉市としても初の適用事例となる。


約2年間に渡る工事の様子。一度建物を解体して、基礎などを作り込み、その上で元の状態に戻す工事を行う。
約2年間に渡る工事の様子。一度建物を解体して、基礎などを作り込み、その上で元の状態に戻す工事を行う。
工事前の三河屋。店先でお酒の販売を行っていた。
工事前の三河屋。店先でお酒の販売を行っていた。

2. 昭和初期の「大型冷蔵庫」跡地で、酒屋「三河屋」が再スタート

紫陽花の時期に間に合うよう、令和8(2026)年5月30日より再オープンした酒屋「三河屋」では、厳選した日本酒を中心としたお酒を販売している。新しい酒屋の店舗は、かつて昭和初期に設置されていた大型冷蔵庫があったスペースを活用して作られた。内装には、当時使われていた番台のカウンターや冷蔵庫の重厚な扉をそのまま再利用しており、100年前の商いの息遣いを感じられる空間となっている。


酒屋営業時代の三河屋。昭和2年に建造された建物は100年を迎えようとしていた。柱や梁などが朽ちているところもあり老朽化が目立っていた。左の白い建物の内部が昭和初期に設置された冷蔵庫。
酒屋営業時代の三河屋。昭和2年に建造された建物は100年を迎えようとしていた。柱や梁などが朽ちているところもあり老朽化が目立っていた。左の白い建物の内部が昭和初期に設置された冷蔵庫。
若宮大路を代表する商店を次世代に継承すべく、当時は大型の冷蔵庫だったところを改修し、酒屋へ。
若宮大路を代表する商店を次世代に継承すべく、当時は大型の冷蔵庫だったところを改修し、酒屋へ。
正面に見えるのが代々使われていた番台のカウンター。その奥に冷蔵庫の扉を移設。当時の面影を残しつつ、新たなスタートを切った三河屋。
正面に見えるのが代々使われていた番台のカウンター。その奥に冷蔵庫の扉を移設。当時の面影を残しつつ、新たなスタートを切った三河屋。

3. 阪神淡路大震災を乗り越え、大正時代から取引が続く「大黒正宗」の取り扱いが復活

今回の酒屋オープンにおいて特筆すべきは、神戸の老舗蔵元・安福又四郎商店が醸す地酒「大黒正宗」の取り扱いを復活させたことである。三河屋と安福又四郎商店の縁は深く、大正時代より前から取引が行われていた。しかし、平成7(1995)年の阪神淡路大震災によって安福又四郎商店の木造蔵が全壊し、それを機に取引は途絶えていた。

今回の再オープンにあたり、三河屋から再び連絡を取ったことで縁が繋がり、関東ではほぼ卸されていない貴重な流通ルートを確保することができた。店舗には、大正時代に親睦旅行へ出かけた際の記念写真や、「大黒會」の会員名簿、商品券など、両者の深い繋がりを示す貴重な歴史的資料も残されている。


こだわりの日本酒を陳列している棚。店主がオススメしたい日本酒だけをセレクトして陳列している。
こだわりの日本酒を陳列している棚。店主がオススメしたい日本酒だけをセレクトして陳列している。
昭和2(1927)年に安福又四郎商店より寄贈された販売許可証。約100年間店先に展示され、現在も継承されている。
昭和2(1927)年に安福又四郎商店より寄贈された販売許可証。約100年間店先に展示され、現在も継承されている。
大黒會での乗船記念の写真。一番左の着物の女性が、初代竹内福蔵の妻、かね。裏面には大正15年と記されている。
大黒會での乗船記念の写真。一番左の着物の女性が、初代竹内福蔵の妻、かね。裏面には大正15年と記されている。
大黒會の商品券。そこには「金 参圓也」と書かれている。
大黒會の商品券。そこには「金 参圓也」と書かれている。
取り扱い店の一覧。左から2番目に三河屋 竹内福蔵の名前が記されている。
取り扱い店の一覧。左から2番目に三河屋 竹内福蔵の名前が記されている。
4. レストラン・結婚式「鎌倉 三河屋本店」としての新たなスタート

酒屋の再スタートに先立ち、5月7日には結婚式もできるレストラン「鎌倉 三河屋本店」がグランドオープンした。かつてお酒や味噌を保管していた「独立型の蔵」は改装され、結婚式の誓いを立てる挙式場所としても使用される。元々酒屋の店舗として使われていた空間は、レストランのお客様をお迎えするレセプションとして活用。かつて床の間があったお座敷は、日本庭園を望めるレストランスペースとして、大切なゲストに肉割烹を振る舞う空間へと進化した。


かつて酒屋だったところは、当時の様子をそのまま復元し、お客様をお迎えするレセプションスペースに。
かつて酒屋だったところは、当時の様子をそのまま復元し、お客様をお迎えするレセプションスペースに。
ウエイティングルームとして用意された部屋。かつて御用聞きの方が住み込みで働いていた場所。
ウエイティングルームとして用意された部屋。かつて御用聞きの方が住み込みで働いていた場所。
酒蔵は補強・補修をし、挙式もできる「石の蔵」に。蔵も昭和初期の商店を現在に残す場所として国の登録有形文化財となっている。
酒蔵は補強・補修をし、挙式もできる「石の蔵」に。蔵も昭和初期の商店を現在に残す場所として国の登録有形文化財となっている。

床の間があったお座敷はレストランスペースに。日本庭園を望める場所として。
床の間があったお座敷はレストランスペースに。日本庭園を望める場所として。

鎌倉の歴史とともに歩んできた合資会社三河屋。当時の部材や面影を大切に残しながら、酒屋「三河屋」と、レストラン・結婚式場「鎌倉 三河屋本店」という新たな複合施設として、次の100年へ向けて歩みを進めていく。



店舗概要
  • 施設名:酒屋「三河屋」/ レストラン・結婚式「鎌倉 三河屋本店」

  • 所在地:〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪ノ下1丁目9−23

  • 酒屋オープン日:2026年5月30日 (火曜・水曜日定休日)

  • レストラン・結婚式オープン日:2026年5月7日

  • HP:https://mikawaya-kamakura.jp/

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