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[レポート]逗子市郷土資料館(旧徳川家達別邸)臨時開場



湘南の一画に位置する逗子市。明治〜昭和にかけ、華族や文化人が別荘を構える海浜別荘地として発展してきた。なかでも逗子海岸沿いに建てられた「なぎさホテル」(現存せず)は、作家伊集院静の小説『なぎさホテル』でも有名となった。かつて多くの別荘が建てられた逗子市桜山地区。蘆花記念公園内にある逗子市郷土資料館(旧徳川家達別邸)の廃止のための条例改正に伴う臨時開場に参加した。

急な斜面をクランクしながら上っていくと木立の間から相模湾と江ノ島、富士山が見えてくる。建屋はシンプルな平屋建の数寄屋建築だが、眺望を意識し海側に長手面を伸ばしたT字型の平面構成である。長手面には広縁が取られ、海側の面全てが開口部となる。この広縁に沿うように8畳の和室が一列に4部屋並び、どの部屋からでも景色が楽しめるよう、別荘建築らしい工夫が凝らしてある。郷土資料館として使用されていたため、どの部屋にも資料が展示され、趣向を凝らした建具や装飾が隠れてしまっているのは少し残念ではある。



郷土資料館が廃止となると今後どうなるのか気になるところだが、逗子の別荘文化を伝える貴重な建物として、先ずは、この機会に見学してみてはいかがだろうか。今回以外に、12/17日11〜13時・22日11〜14時に臨時開場が予定されている。なお、パブリックコメントは令和2(2020)年1/9まで募集している。




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