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[歴飯_45]ホテルニューグランド ザ・カフェ

更新日:2021年1月9日



その名も「ザ・カフェ」である。

ゴルフトーナメントの中で最も歴史と権威があり、日本では「全英オープン」と呼ばれている大会の正式名称が" The Open Championship "であるように、その名には、カフェであること以外何も含まれていない。

ザ・カフェは横浜を代表するクラシックホテルであるホテルニューグランドの本館1階、山下公園通りに面した東側の角にある。通り沿いに並んだ赤いテントと角のネオンサインが目印だ。



ホテルニューグランドは、昭和2(1927)年開業。設計は銀座和光などを手掛けた渡辺仁。マッカーサー元帥やチャーリー・チャップリン、ベーブ・ルースをはじめとする多くの著名人が宿泊してきた。また、平成4(1992)年には横浜市認定歴史的建造物となり、また平成19(2007)年には、経済産業省が選んだ近代化産業遺産の認定を受けている。

ホテルニューグランドは開業当初から、「最新式設備とフレンチ・スタイルの料理」をキャッチフレーズとして、レストランには特に力を注ぎ、結果、ドリア、ナポリタン、プリンアラモードなど広く知られる発祥メニューをはじめ、日本の食文化に多大な影響を与えてきた。

ホテルニューグランドで誕生し、横浜から日本中へと広まった洋食メニューの数々は、このカフェでいただくことができる。



店内に入ると出窓がある通り沿いの席に案内された。通りに面しているとは思えない静けさの中で、ジャズスタンダードがBGMで流れている。窓からは初夏の緑が瑞々しい山下公園とその奥に氷川丸を望む。

メニューからブレンドコーヒーと一日30食限定の90thプリンアラモードを注文した。

しばらくすると、注文した品がテーブルに届く。

ホテルニューグランド発祥のプリンアラモードをより華やかに、大胆にアレンジしたという開業90周年を記念したプリンアラモードの豪華さに心が躍る。



メインのカスタードプリンを中心にフレッシュなカットフルーツ、ストロベリーとバニラのアイスクリーム、リンゴのコンポート、ミニパンケーキが綺麗に並べられており、パンケーキ用のメイプルシロップ、プリン用のカラメルソース、さらに酸味の効いたフランボワーズ(ラズベリー)のソースも添えられている。

外の景色を楽しみながら、コーヒーと共にその一つ一つを味わいながらいただいた。

どれも美味しいが、シナモンが効いた甘めのリンゴのコンポートにフランボワーズのソースがベストマッチで後を引く美味しさであった。

伝統のカスタードプリンにはホテルニューグランドのマークが入ったチョコプレートが添えられている。



もともとプリンアラ モードは、戦後ホテルニューグランドが連合軍に接収されていた当時、甘いもの好き のアメリカ人将校夫人のために、当時のパティシエが工夫を凝らして作ったデザートで、当時はぜいたく品であったプリンとアイスクリームを盛り合わせたものから始まり、さらに アメリカから送られてきた缶詰の果物と合わせ、現在の形になったと言われている。

戦後、まだ山下公園やこの歴史的建造物が「アメリカ」であった頃に想いを馳せながら、平和の中でいただく、贅沢な時間を是非、一度味わっていただきたい。






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