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[レポート]お城EXPO 2023【パシフィコ横浜ノース】

更新日:2023年12月18日



令和5(2023)年12月16日(土)から開催された「お城 EXPO 2023」をレポートする。(12月17日(日)まで)

「お城 EXPO 」は、平成28(2016)年12月にパシフィコ横浜会議センターで初開催以降、城郭文化の振興と発展やお城好きの方々との交流を目的に毎年横浜で開催され、今回で8回目。ピーク時には2万人、前回の「お城EXPO 2022」は、前夜祭を含む3日間で約1万5千人の来城(来場)者があった人気イベントである。今年も前売り「入城券」を購入し、いざ「参城」。




会場はパシフィコ横浜ノースと。パシフィコ横浜ノースは令和2(2020)年4月、「パシフィコ横浜展示ホール」と「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」の間ににオープンした約6,300㎡の多目的ホールと大中小42室の会議室からなる国内最大規模MICE施設。その大きな会場をフル活用する形で、1階展示ホールのほか、2階から4階までぎっしり特別な展示やプログラムが展開されている。1階展示ホール前の入城口でチケットを見せ、いよいよ展示ホールに入る。





1階展示ホールには城郭の関連団体が情報発信のためのブースを出展している「城めぐり観光情報ゾーン」や書籍や城関係グッズの販売を行っている「城下町物販ブース」、イベントステージなどがある。このゾーンでは97の出展者(城めぐり観光ゾーン(80)、城下町物販ブース(17))がリストに名を連ねた。


「城めぐり観光ゾーン」に神奈川県内から「公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団」、「小田原城・石垣山城・北条五代観光推進協議会」、「津久井城〜黄金を生む城〜 / 相模原市」、「歴 x トキ / 山城ガールむつみ / 三浦一族の城」、「伊勢原市」が参加していた。また、3階ユニバーサルラウンジの隣では「湯河原町」が参加していたので各ブースの様子をレポートする。


<公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団>


「公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団」のブースでは、横浜市内の「小机城」「茅ヶ崎城」「榎下城」「寺尾城」に加え「小田原北条氏誕生500年記念 小机城」の御城印、「横浜城郭図(中世)」の販売のほか、令和3(2021)・4(2022)年度に実施された小机城址の発掘調査に関するパネル展示や動画の紹介が行われていた。



小机城(横浜市港北区)は、鶴見川に突き出た丘陵上の要害で、15世紀半ば(室町時代)までには築城されていたと考えられている。文明10(1478)年実際に戦の舞台にもなった。小田原北条氏の関東進出の重要な軍事拠点としての役割を担い、江戸時代に廃城されたと考えられている。


横浜市港北区の「港北区ミズキー」


<小田原城・石垣山城・北条五代観光推進協議会>


「小田原城・石垣山城・北条五代観光推進協議会」のブースでは、「小田原城」「石垣山城」の御城印、北条五代武将の武将印・ステッカー、トートバックなど豊富なグッズが販売のほか、甲冑・着物の着付け無料体験が実施されていた。



「北条五代観光推進協議会」は北条氏にゆかりのある14市町(伊原市・大阪狭山市・沼津市・三島市・伊豆市・伊豆の国市・横浜市・相模原市・鎌倉市・小田原市・箱根町・八王子市・川越市・寄居町)の行政及び観光協会が連携し、北条氏の様々な偉業や魅力を活用した観光事業を展開し、北条氏ゆかりの地として歴史や文化を広く全国に紹介し、地域の活性化を図ることを目的として結成された団体である。ブースでは『北条五代』を大河ドラマに!」と銘打った「北条五代」を題材としたNHK大河ドラマを誘致するための署名も例年通り行われていた。


小田原市観光PRキャラクター「梅丸」


<津久井城〜黄金を生む城〜 / 相模原市>


「津久井城〜黄金を生む城〜 / 相模原市」のブースでは、津久井城の歴史や遺跡調査、津久井湖城山公園の紹介に関するパネルのほか、近年明らかになった黄金精錬に関する資料、金粒付着かわらけなどの関連出土遺物を展示。また発掘調査の様子をタブレット端末でも見ることができる。そして、津久井城の歴史・構造・発掘調査の結果まで解説した津久井城ガイドブックの決定版「津久井城ものがたり」と、津久井城城主内藤氏の家紋と津久井城俯瞰図を組み合わせたデザインで、外袋に津久井城5代目城主内藤直行が書状に用いた「金割字寶朱印」をあしらったの御城印が特別販売されていた。



津久井城は戦国時代に小田原北条氏に仕えた内藤氏が城主を務めた山城で、天正 18(1590)年、豊臣秀吉による小田原攻めに伴い落城し、江戸時代初頭には麓に陣屋が置かれた。現在は津久井湖城山公園(相模原市緑区)内にその遺構が眠っている。

ブースのパネルでは平成22(2010)年から津久井湖城山公園内で行われてきた10年の及ぶ市民協働による発掘調査の成果がをまとめられており見応えがある。




<歴 x トキ / 山城ガールむつみ / 三浦一族の城>


「歴 x トキ / 山城ガールむつみ / 三浦一族の城」のブースでは、三浦一族ゆかりの城の紹介のほか、山城ガールむつみ氏のプロデュースよる御城印がずらりと並べられて販売されていた。

源頼朝の旗揚げを助け、共に鎌倉時代の幕を開いた三浦一族。その後、三浦義澄、三浦義村、和田義盛、佐原義連といった一族が幕府で重用され、中世を代表する武家へと発展した。その活躍は青森から九州まで、全国に広がり、鎌倉時代から戦国時代、さらには江戸時代まで生き抜く名族となった。




<伊勢原市>


神奈川県伊勢原市の市域北東に丸山城址(丸山城址公園)がパネルで紹介されている。丸山城はかつて鎌倉時代には幕府とのつながりも深い御家人である糟屋藤太有季の居館、また室町時代には上杉定正の館として使用されていたと伝えられている。過去に実施された発掘調査では、周囲を囲む形で深さ6mを超す堀や土塁等の遺構が確認されている。

ブースでは発掘を担当した学芸員が障子堀の発展過程の解明にもつながる発見であることなどについて丁寧な解説があった。



丸山城跡から出土した「うずまきかわらけ」


<湯河原町>


3階ユニバーサルラウンジ隣の「湯河原町」のブースでは、「土肥会」による甲冑の展示とその活動紹介が行われていた。

土肥実平は源頼朝の挙兵に応じ、石橋山の戦いでその危急を救った武将。「土肥会」は石橋山の合戦から750年を機に昭和5(1930)年に創立し、土肥実平を顕彰し、観光振興やまちづくりに生かしている市民団体。甲冑を着用した記念撮影に人気が集まっていた。




「城めぐり観光情報ゾーン」を概ね見終えたところで昼食時となったので、パシフィコ横浜

ノース隣のパシフィコ横浜アネックスホール2階に用意された休憩処で昼食をとった。昼食処では、お城EXPO限定メニューとして「お城EXPO2023特製炒飯弁当(崎陽軒)」「東海道新幹線弁当(JR東海リティリング・プラス)」「特製中華まん(江戸清)」「チョコ兜ケーキ(ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル)」「エッグタルト(馬さんの店龍仙)」「特製お城ケーキ(ドトールコーヒー)」が販売されていた。その中から「お城EXPO2023特製炒飯弁当」「特製中華まん」を選んで購入し昼食をとった。






昼食後は、「日本100名城&続100名城パネル展」「城の自由研究コンテスト 優秀作品展」等を見学した。


<日本100名城&続100日本名城パネル展>

全国の名城を紹介する200枚のパネルが並ぶ様子は毎年圧巻。じっくり見ているとあっという間に時間が過ぎる。


・神奈川県内の「日本100名城」:小田原城

・神奈川県内の「続日本100名城」: 小机城・石垣山城




<城の自由研究コンテスト 優秀作品展>


毎年夏にお城をテーマにした自由研究を募集している「城の自由研究コンテスト」。第22回となる今回の応募作品の中から受賞作品を展示している。

受賞作品には神奈川県内からも横浜市立大鳥小学校3年小川正氏の「僕だったらどうする!? 〜山中城の戦いから考える北条氏の守り方〜」が佳作で入選。史実では豊臣の大軍により半日で落城した山中城を題材に、北条氏であればどう守るべきだったのか、またそれをどう攻略すべきだったのかという視点で調べた充実した内容の研究で、多くの人が足を止めて読み入っていたのが印象的であった。




今回も奈川県内の城情報に焦点を当ててダイジェストで紹介したが、お城EXPOの見所は、全国から集まった城関連のブースやプログラムであり、十分まる一日楽しめる内容である。また、全国の城情報に触れることで、まるで日本全国を旅をした気分も味わえ、また各地の「歴史を生かしたまちづくり」の取組みを知ることもできる貴重なイベントであるといえる。今後もこのイベントが横浜で開催されることを願う。



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