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[レポート]三溪園 早朝観蓮会 2025【THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA】

更新日:7月22日

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三溪園で毎年恒例となっている早朝観蓮会の初日(7月19日)に参加した。

当日は絶好の晴天に恵まれ、園内は大きな望遠レンズを構えたカメラマンや家族連れ、そぞろ歩く人々で賑わっていた。

連日の暑さの影響か、初日にもかかわらず蓮池のハスはすでに十分な見頃を迎えていた。ハスは明け方からゆっくりと開き始め、午前7時頃に最も美しい姿を見せる。その後、9時頃から再び閉じ始め、昼頃には完全に閉じる。

三溪園は通常9時開園であるため、その時間にはハスの花の開花はピークを過ぎてしまう。しかし、7時開園となる早朝観蓮会では、開いたばかりのハスの花を観賞することができる。


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蓮池では、三溪園のシンボルである三重塔と蓮を一緒に眺めることができる特別な観覧スポットが開放されており、池のそばまで立ち入って写真を撮ることができる。また、池の周囲では毎年恒例の「蓮のシャワー」も登場し、晴天の下でひときわ涼しげに見えた。


蓮のシャワー
蓮のシャワー

今年もまた、早朝観蓮会のもう一つの楽しみとして、園内の茶店3軒で早朝限定メニューが提供されていた。雁ヶ音茶屋では「中華風かゆ」、三溪園茶寮では「朝がゆ」、待春軒では「夏の朝ごはん」である。

今回はその中から、待春軒の「夏の朝ごはん」をいただくことにした。

待春軒の暖簾をくぐり、受付で注文し、食券を受け取って外が見渡せる席に着く。数分後、特製の弁当箱と冷製カボチャのポタージュスープが運ばれてきた。

店名入りの弁当箱には、冷やし茄子、胡瓜の梅みそかけ、ミニトマトのコンポート、鰯の梅煮、ひじきの煮物、玉子焼き、ゆかりご飯(枝豆添え)、梅ゼリーが美しく詰め込まれており、目でも楽しませてくれる。中でも鰯の梅煮は、骨まで柔らかく仕上げられており、美味であった。


待春軒「夏の朝ごはん」
待春軒「夏の朝ごはん

三溪記念館のロビーでは、日本茶専門店「茶倉SAKURA」が、“茶を知る・学ぶ・味わう・親しむ”をコンセプトとしたポップアップカフェスペース「茶論 望塔亭(さろん ぼうとうてい)」を、観蓮会にあわせて朝8時から出店していた。


茶論 望塔亭
茶論 望塔亭

また、三溪記念館では、蓮をモチーフとした作品を中心に、夏の風景を想起させる作品を集めた所蔵品展「夏に咲く」が開催されており、原三溪の作品のほか、臨春閣第一屋替え襖である中島清之の「竹図」なども展示されていた。


所蔵品展「夏に咲く」
所蔵品展「夏に咲く」

内苑に入ると、晴天の下、緑の中に歴史的建築が佇む、三溪園ならではの景色が広がっていた。工事中の部分もあったが、迂回路を通ってすべての建築物を見学することができた。中でも、令和6(2024)年に檜皮葺屋根の葺き替え工事を終えた亭榭(ていしゃ/池に架かる橋の中央にある四阿)は必見である。


亭榭
亭榭

早朝観蓮会は、7月19日(土)から8月11日(月・祝)までの土・日曜・祝日に開催されている。

なお、早朝観蓮会に参加した後は、そのまま9時以降も園内にとどまり、古建築や庭苑をゆっくりと楽しむことができる。

ぜひ一度、早朝の三溪園ならではの魅力を味わっていただきたい。


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