[レポート]横浜税関本庁舎一般公開【THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA】
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「横浜三塔の日」を記念して、令和8(2026)年3月7日(土)、横浜税関本庁舎が一般公開された。今回の一般公開は、3月10日の「横浜三塔の日」に合わせて実施されたもの。当日は絶好の行楽日和に恵まれ、多くの市民や観光客が足を運んだ。
横浜税関の歴史は古く、安政6(1859)年の横浜港と同時期に設置された「神奈川運上所」まで遡る。その後「横浜税関」と改称、初代庁舎は、明治6(1873)年に現在の神奈川県庁の建つ敷地に建設されたが、明治18(1885)年には海側に移転している。現在の庁舎(クイーンの塔)は、関東大震災の復興事業として昭和9(1934)年に再建された3代目となる。設計は大蔵省営繕局工務部で、吉武東里の原案による。アカンサスの葉を型どった装飾や三連アーチ、幾何学模様、ねじり柱(ソロモンの柱)は、東西の建築的特徴が融合したイスラム風となっており、東西に開いた国際港・横浜をよく表している。

1階の資料展示室を抜けて新庁舎側に入ると、アトリウムでは、税関職員の制服を着て税関のイメージキャラクターである「カスタムくん」と記念写真を撮るコーナーには行列ができていた。カスタムくんの人気が伺える。

エレベーターで7階に上がる。既存庁舎の景観に配慮し、中庭に増築された新庁舎テラスからは、赤レンガ倉庫、象の鼻パーク、大さん橋と、横浜港が一望できる。

7階のテラスからは、横浜港のパノラマビューが広がった。赤レンガ倉庫や象の鼻パーク、大さん橋、そして「キング」の愛称で親しまれる神奈川県庁舎を一望でき、あわせて横浜税関庁舎の特徴である美しい軒飾りの細部も観察することができた。

美しい軒飾り・カップ型装飾
テラスの横では「カスタムくん」グッズの販売も行われていた。グッズはぬいぐるみから、文房具、ストラップ、マグネット、チョコレート、ゴルフボールからモバイルバッテリーまで多種多様な品ぞろいがありこちらも盛況であった。

7階の大会議室では麻薬探知犬のデモンストレーションが始まる時間となったが、その前に「横浜三塔の日」ゆかりの3体のキャラクターの紹介が行われていた。神奈川県庁(キング)ゆかりのキャラクターとして「かながわキンタロウ」、横浜市開港記念開館ゆかりのキャラクターとして横浜市中区のマスコットキャラクター「スウィンギー」、そして横浜税関ゆかりのキャラクターとして税関のイメージキャラクター「カスタムくん」が揃って、ランウェイとステージで撮影に応じていた。

続いて行われた麻薬探知犬のデモンストレーションでは、ジャーマンシェパードのハリー号がハンドラーと共に登場。並べられた段ボール箱の中から、麻薬の臭いがついたタオルが隠されている箱を瞬時に探し当て、その精度の高さに拍手が送られた。

麻薬探知犬のデモンストレーションの後は、再びエレベーターに乗り、3階に向かう。3階では「旧特別会議室」「旧総務部長室」「旧税関長応接室」「旧税関長室」の保存室4室が公開されていた。

旧特別会議室は創建当時、貴賓室として使われていた最も華美なつくりとなっている。部屋の奥に掲出されている絵画は、天正年間の「天正遣欧少年使節」がベニスに到着した際の様子を後年、イタリアで学んだ画家、寺崎武男(1883 - 1967)が描いたもので、戦前、新港埠頭4号岸壁(現在の海上保安庁第三管区海上保安本部 横浜海上防災基地)の上屋船客待合室に掲げられていたものを、戦後、本関庁舎の返還に伴い移してきたものとのこと。

旧特別会議室のとなり、旧総務部長室は、創建当時、貴賓室次室として使用されていた。銀色の梁型埋め込みの装飾があるが、金属製ではなく石膏製の装飾に銀色の塗装を塗り重ねている。

旧総務部長室のとなり、旧税関長応接室は創建当時、税関長付属室として使用されていた。柱型、巾木、化粧縁は創建当時のもので、タモが木材として使用されている。右奥に見える丸テーブルには「横浜市西区南幸町二丁目五十四番地 合資会社 横濱木工所 電話(4)2994」と記されたプレートが付けられている。製作年は不明。

保存室の一番奥は旧税関長室。戦後、横浜税関庁舎が連合国軍に接収された際(1945 - 1953)、連合国軍総司令部(GHQ)、米軍第8軍司令部、旧税関長室は、マッカーサー元帥やアイケルバーガー中将も執務したと伝えられている。ここでは、歴代税関長の写真と共に彼らが身に付けた大礼服も展示されていた。

旧庁舎1階に戻り、資料展示室を見学する。資料展示室は、「クイーンのひろば」の愛称で親しまれている。館内では、横浜税関の歴史や役割、輸出入の仕組みを学べるほか、模倣品やワシントン条約該当物品、密輸の手口などが実物と共に詳しく紹介されている。
歴史を紹介するコーナーでは年表や文書等の資料のほか、先ほど7階テラスから見た軒飾りやカップ型装飾の実物も展示されており、一見の価値がある。

横浜税関の歴史に関する資料
横浜税関本庁舎は近年横浜三塔の日に合わせた庁舎公開も行っているので、機会があれば、一度見学してみてはいかがだろうか。

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