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[レポート]黄金町バザール「仲乃湯アーカイブ」【THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA】

2 分前
読了時間: 3分

黄金町エリアで開催中のアートフェスティバル「黄金町バザール」の会場の一つ、「仲乃湯アーカイブ」を訪ねた。


戦後77年の歴史を刻んだ「宮造り」の銭湯

「仲乃湯」は戦後間もない昭和24(1949)年、横浜市南区中村町で創業した銭湯である。「非日常的で豪華な空間で人々を癒やしたい」という想いから、神社仏閣の建築様式を取り入れた本格的な「宮造り」が用いられていたとされる。

脱衣場を見上げれば見事な折り上げ格天井が広がり、番台は釘を使わない伝統的な木組で仕立られている。長年にわたり日々磨き上げられてきた店内や、正解するとドリンクが無料になるクイズなどのユニークなおもてなしを企画した3代目店主の人柄もあり、創業時からの常連から近所の子どもたちまで幅広い世代に愛され続けてきた。

しかし、惜しまれつつも令和8(2026)年2月28日、77年の歴史に幕を下ろした。


解体前の「仲乃湯」内部(展示写真より)
解体前の「仲乃湯」内部(展示写真より)
記憶を遺すために立ち上がった有志たち

この名建築と地域コミュニティの記憶が消え去ってしまうことを惜しんだのが、近隣に居住・勤務し、生前より仲乃湯に通っていた有志たちだ。

黄金町エリアマネジメントセンターのスタッフをはじめ、建築デザインやアートプロジェクト、まちづくりなど多様なバックグラウンドを持つメンバー5名が集まり、「仲乃湯アーカイブチーム」を結成。閉業直後の令和8(2026)年3月には、約500名が訪れた謝恩イベント「謝・アワー」を開催し、浴室でのライブや脱衣場での展示を通してお別れの場をつくり出した。

その後、ご家族の協力を得て、解体される建物から重さ100kgを超える木組の番台、看板、ガラス戸、ロッカーの扉などの貴重な什器・建具を持ち出し、丁寧に清掃と修繕を行って保管してきた。なお、解体前の仲乃湯の様子は「せんとうとまちアーカイブ」で公開されている。


「釘を使わずに作られた番台」77年前に建物ができた当初から使われてきた番台。欅の分厚い板でつくられており、重さは200キロ以上ある。中に入る際は左手の踏み台を使ってのぼる。番台では料金の支払いと合わせて、カミソリやタオル、石鹸などを販売していたため、下にある扉の中にはその在庫が置かれていた。番台は脱衣所を見渡すように置かれてあり、展示でも扉や窓の配置を再現している。
「釘を使わずに作られた番台」77年前に建物ができた当初から使われてきた番台。欅の分厚い板でつくられており、重さは200キロ以上ある。中に入る際は左手の踏み台を使ってのぼる。番台では料金の支払いと合わせて、カミソリやタオル、石鹸などを販売していたため、下にある扉の中にはその在庫が置かれていた。番台は脱衣所を見渡すように置かれてあり、展示でも扉や窓の配置を再現している。

クラウドファンディングと「記憶の継承」

今回のアーカイブ展示および記録冊子(ZINE)の制作にあたっては、クラウドファンディングを実施。多くの銭湯ファンや地域住民からの支援を受け、目標金額を達成して実現にこぎつけた。制作されたZINEには、仲乃湯の歴史やご家族へのインタビュー、まちとの関わりが丹念に記録されている。

会場の展示構成も実に良く練られており、レスキューされた実物の番台や看板、什器の存在感とともに、往時の賑やかな姿やオーナー家族の温かな人柄、地域に根差した物語がまっすぐに伝わってくる。単なる記録にとどまらず、建物が失われた後もその「場の記憶」を地域へ紡いでいくための、歴史を生かしたまちづくりの素晴らしいアプローチだと感じた。

歴史ある建物の「その先」の残し方を示してくれる貴重な展示だ。

「仲乃湯アーカイブ」の見学は無料(黄金町バザールの見学にはチケットが必要)。会期は10月12日まで。ぜひ足を運んでみてほしい。


「いろんなロッカー」ここに並ぶのは、全て仲乃湯で実際に使われていたロッカーの扉である。大きいのは脱衣用、小さいのは下足用、細長いのが傘用、顔のような扉は洗面用具専用貸しロッカーであった。ピンクのはベビーベッドの扉。
「いろんなロッカー」ここに並ぶのは、全て仲乃湯で実際に使われていたロッカーの扉である。大きいのは脱衣用、小さいのは下足用、細長いのが傘用、顔のような扉は洗面用具専用貸しロッカーであった。ピンクのはベビーベッドの扉。
支援の記念品として配布されたロッカーの鍵
支援の記念品として配布されたロッカーの鍵






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[THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA]は、クラウドファンディング「横浜の閉業した銭湯「仲乃湯」の記憶を残したい」プロジェクトの支援を行なった。

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