[開港5都市]開港5都市景観まちづくり会議2026長崎大会 - 04 全体会議Ⅰ・後半(パネルディスカッション)【THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA】速報

全体会議Ⅰ:各都市FG代表によるパネルディスカッション「FG会議の『これまで』と『これから』
趣旨説明:平山広孝氏(長崎市景観推進室係長)・岩本論氏(2026長崎大会副実行委員長)

各都市のFG(フューチャー・ジェネレーション)代表が集まり、これまでのつながりを振り返り、今回のテーマ「つながりをデザインする 持続可能な都市コミュニティの形成」に向けて議論する。
開港都市会議は、景観だけでなく歴史・文化・環境などを大切に育てる取り組みを相互に深めることが目的で各都市持ち回りで実施されてきたが、若手中心に活性化させるため10年前の2016年長崎大会でFG会議が生まれた。
FG会議の10年間の実績を振り返ることで、会議全体の「これまで」を確認し、今後、どのようにしていきたいかという「これから」を考えたい。
登壇者紹介:西野廣貴氏(新潟市)

土木工学を学び新潟市役所に入庁。道路・下水道・農村・景観など幅広い事業に携わり、信濃川の水辺空間(やすらぎ堤)、国道7号関連のイベント、万代テラスの管理なども担当。東日本大震災の復興支援で島巻市の高台移転計画も経験した。2016年長崎大会で初めて会議に出会い、2022年新潟大会で、新潟島ができて約50年の節目に、小学4年生をプレゼンターに招いたFG会議を企画。2年前に市役所を退職し、現在は総合建設業(福田組)に勤務。地元企業の協賛にも挑戦し、本日の衣装はアルビレックス新潟の協賛品。日本酒の差し入れも用意。開港5都市会議をテーマとした研究を行っている。
登壇者紹介:飯尾遼太氏(函館市)

秋田県出身、大学進学で函館へ。大学3年生のときに新潟開催で初参加。現在は函館のまちづくり団体の会長、函館市の景観関連協議会の副会長なども務める。協議会は景観保全・観光など約29団体で構成され、毎年「景観まちづくりフォーラム」(今年度で3回目)を開催。まち歩きを通じて西部地区の良さを伝えるまちあるき等の企画で全体調整を担当。
登壇者紹介:島田翔陽氏(横浜市)

26歳で登壇者中最年少。「横浜今昔写真」の活動(明治〜昭和戦前の古い写真の撮影地を特定し、同じ場所・同じ構図で今を撮って比較)をインスタグラムやウェブで発信。日本大通り沿いのシェア型書店で、横浜の本専門の「横浜今昔文庫」も運営。神奈川台場地域活性化推進協議会の理事に就任し、銀行員からライターへ転職。2024横浜大会から参加し、今回が3回目。
登壇者紹介:曹祐仁氏(神戸市)

39歳。神戸・南京町で老舗の中華店「老祥記」を営み、商売に軸足を置きながらまちづくりと「二足のわらじ」。神戸大学でMBAも取得。南京町は東西約200m、南北約70mの範囲に約200店舗、組合加盟店は約80店舗、年間約500万人が訪れる中華街。2016年から参加し、FG会議は今年で10年目。2020年のコロナ禍での神戸大会(オンライン併用)が印象的だった。
FG会議の10年を振り返る
2015年神戸大会で強烈な先輩たちに圧倒され、ウェルカムパーティーの後で当時、横浜市の係長だった小田嶋鉄朗氏から「若い人を集めよう」と言われたのが発端。
長崎の実行委員会に「若者会議」を提案したが、「長崎に若い人はいない」と当初は反対されたが、レジェンドのフォローもあり(「若者会議」という名前はダサいという指摘を受けて)「FG会議」を初開催。各都市から参加した若者は5人ほどで、実際にはほとんど長崎のメンバーだった。それでも各地の取り組み紹介、各都市の「イケてるカフェ・風景」の写真共有、3日目早朝のワークショップを実施した。
代表者会議では「会議をそろそろ締めたい」という声が出たが、横浜のFG代表出会った番場俊宏氏(建築家)が強く反対し、空気が変わって継続につながったと思っている。
2017年新潟大会から神戸のメンバーも加わり全都市のFGが揃うようになった。畳の部屋で、プレゼン大会と交流。会場からツッコミが入るプレゼンスタイルも定着した。
2018年函館大会、2019年横浜大会とプレゼン大会のスタイルで継続。
2020年神戸大会はコロナ禍で、観光・商業の要素を加えた物産展などを構想していたが中止に。代表者のみ来場、オンライン併用の1泊2日で実施。神戸タータンがデパートの売り場で特集されていることを見た、長崎のメンバーが刺激を受けその後のタータン展開に影響を与えた。2021年長崎大会でもコロナの影響もありオンライン併用で開催。
2022年新潟大会では全体会議2としてFG会議が実施されたが、準備が追いつかず、開催都市以外のメンバーも急遽スタッフとして参加し、なんとか実施できた。
2023年函館大会では、SDGs的なテーマとキャッチコピーを掲げ、歴史的建造物・旧函館区公会堂を会場にし、一般客も参加できる形で工夫。階段の養生や暑さにも苦労。夜は別荘を借り切り朝4時頃まで交流。函館では、大会後にFGが集まる機会が増加。そこから「函館タータン」などの商品づくりが生まれた。これまでの交流の中で函館の西部地区の飲み歩きイベント(バル街)を長崎でも実施しており、本家の実行委員長も喜んでいる。
2024年横浜大会では、横浜の設計事務所オンデザインパートナーズの事務所を借りてプレゼン大会を実施。島田翔陽氏さんがデビュー。「人生が変わった」ほどの影響を受け、同じように自分の街の歴史に関心を持つ仲間の多さに驚いた。
2025年神戸大会では、これまでの活動を振り返る回。レジェンド世代から見たFG世代についての話が好評だった。「これからすること」の宿題が出され、今回の長崎大会の土台になった。
2026年長崎大会に向けた取組としては、FG会議を毎月第1月曜の21時30分からオンライン開催(約19名・9回)。大会の企画に対して意見をもらいながら調整を進めた。
新企画のテーマ別分科会は、景観に偏らず、観光・商業など様々な切り口でじっくり話す時間を設け、まち歩きを短縮。まち歩きプログラムもどのテーマに対応するか分かるようにしたにしたのもFG会議の意見を取り入れた結果。
年1回の大会以外でも交流が行われており、神戸大会のポスターを制作したイラストレーターのみしま氏とが長崎で滞在制作を実施し、約200人の来場者の前で発表。今日の会場にもその絵が展示されている。
レジェンド世代からのコメント
桐野耕一氏(2026長崎大会実行委員長)
10年前のFG発足以来、今はFGなしでは会議が成り立たないと感じる。長崎の外国人居留地の活動では、かつて行政が準備をし年上世代が文句を言う構図もあったが、FGの新しい発想は素直に受け入れられ、勉強になる。「レジェンド」という呼び方やネーミングが上手で心地よい。
田上富久氏(元長崎市長)
市長を辞めてから改めてこの会議に参加するようになり一番驚いたのはFGの活動。通常、10〜20年続く活動は同窓会化して止まり、また新しい会を立ち上げるのが常だが、この会議は新しいチームが主導権を持ち、先輩がレジェンドとして楽しみながら支える形になっており、非常に知恵がある。他分野でも応用できる世界的にも手本になる。
西村幸夫氏
同じように感じた。組織にはサイクルがあり、世代交代が難しいのが普通だが、若手のエネルギーとレジェンド側の度量の双方が、うまい関係を生んでいる。
これからのFG
西野廣貴氏(新潟市)
来年の新潟大会に向け約20名で交流会・勉強会(ワークショップ)を実施中。「信頼できる仲間を集める」ことを意識している。
飯尾遼太氏(函館市)
神戸からの声がかりがあり函館のホテルで開発した。
島田翔陽氏(横浜市)
古い絵葉書(白黒写真に職人が人手で着色したもの)は横浜以外の都市でも販売されていたため、他都市でも「今昔写真」を一緒にやってくれる人を募集したい。
今年は全都市分が揃った。毎年11月11日に開く「豚まんサミット」(今年15回目)で初めて全都市の豚まんが揃う予定。
曹祐仁氏(神戸市)
函館の豚まんが開発されたことで、今年は開港5都市の全都市分が揃った。毎年11月に開く「KOBE豚饅サミット2026」(今年15回目)で初めて全都市の豚まんが揃う予定。「開港都市」はブランドになりつつあり、それを市民にも知ってもらうことが重要。きっかけは商業が分かりやすく、各都市で使ってもらう活動が広がれば、会議の持続性が高まる
平山広孝氏(長崎市景観推進室係長)
単発のイベントではなく、組織・コミュニティ化(プラットフォーム化)を目指したい。全国の例として、アーバンデザインセンター(UDC)や、マチナカ広場研究会のような仕組みも参考になる。次の5〜10年でのあり方を見直す必要があり、行政側の予算の厳しさもあるため、持続できる形を3日間の様々な場面で話し合いたい。開港都市は「5都市」という数が増減せず、歴史がある点でも枠組みとして優れている。
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