[レポート]ローカルメディアコンパス研修【THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA】

<THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA >では、6月27日の「メディアリテラシーの日」にあわせて(日程調整の関係で実際の実施日は7月となった)、スタッフのメディアリテラシー向上を目的とした「ローカルメディアコンパス研修」をカードの開発者であるNPO法人森ノオトから講師を招き開催し、編集部の7人が参加した。
「メディアリテラシーの日」は長野県長野市に本社を置くテレビ信州が制定した記念日。
平成6(1994)年6月27日、長野県松本市で殺人事件(「松本サリン事件」)があり、事件現場近くに住む無実の男性がマスコミにより犯人扱いされる報道被害があった。このことから、6月27日を報道機関におけるコンプライアンスを再確認するための記念日とし、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
今回、研修に使ったのは、「ローカルメディアコンパス」という情報発信をしている人に向けて開発されたワークショップカードで、メディアの現場での喜びや困りごと、迷ったこと、失敗したことなどのエピソードが書かれた50枚のカードで構成されている。

まず、初めにこの「ローカルメディアコンパスとは」という説明があり、そのあと、自己紹介を兼ねて、参加者が1人ずつ1枚のカードを選んで話した。「誰に向けて書いているのか?と迷いながらマニアックになりすぎないように、それでいて<THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA >らしさを無くさないように悩みながら記事を書いている。」など、各参加者が取材や取材以外での体験などを交えて進められた。
次に、2チームに分かれて、あらかじめ選んでいた2枚のカードを題材に「<THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA >編集部だったらどうするか?」について意見を出し合った。
1枚目は、取材先のおうちカフェが無許可だったというエピソードが元になっている「おうちカフェの落とし穴」。2枚目は、惜しまれながら閉店する店を取材しようとしたら「ほっといてほしい」と取材を断られたというエピソードが元になっている「惜しまれて閉店」。それぞれのチームで意見交換し、最後に発表し、共有した。

「おうちカフェの落とし穴」については、
「取材対象の歴史的建造物が違反建築だったりすると記事にするか迷ってしまう」「違反の内容が人に迷惑をかける内容でなければ記事にしても良いのでは?」といった意見が紹介された。
「惜しまれて閉店」については、「やはり取材対象の意向は最大限尊重すべき」「それでも、私たちの取材意図や記事として残す意義や必要性について説明して、もう一度取材をお願いすることも良いのではないか」といった意見が紹介された。

今回の研修では、短い時間であったこともあり、編集部の編集方針としてまとめることはしなかったが、<THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA >は、今後、こうした研修や実際の取材等を通じて、歴史を生かしたまちづくりに特化したwebメディアとしてふさわしい「メディアポリシー」をまとめ、さらに同様のテーマを持つメディアのスタンダードを目指して行きたいと考えている。今回の研修はその第一歩として、良い学びの場になった。
なお、「ローカルメディアコンパス」は、カードとしてNPO法人森ノオトのwebショップやニュースパーク(日本新聞博物館)でも販売されている他、その使い方についてYouTube等で紹介しているので、興味のある方は一度、webサイト等でご確認いただきたい。
