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[レポート]ぼうさいこくたい2023 - 「歴史を生かしたまちづくり」関連展示【THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA】



令和5(2023)年9月17日(日)と18日(月・祝)の2日間、防災に関する活動を実践する多様な団体・機関が一同に会し、取組・知見を発信・共有する日本最大級の防災イベント「防災推進国民大会(通称:ぼうさいこくたい)2023」が横浜国立大学を会場に開催され、過去最多の380団体が参加、それぞれが思考を凝らしたプレゼンテーションを行なった。

開催日は両日とも晴天に恵まれ、9月半ばを過ぎたとは思えないほどの暑さの中、熱心にセッションやワークショップに参加し、また各プレゼンテーションで説明に聞き入る多くの参加者(主催者発表によると2日間で1万6千人)で賑わった。

[THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA] も歴史を生かしたまちづくりに関するニュースサイトとして、令和5(2023)年に関東大震災から100年目を迎えるのを期に、横浜市内の震災遺構、震災復興期の歴史的建造物に着目し、また、こうした歴史的建造物を後世に渡り遺していくための防災に関する取り組みについて紹介する特集コラムをパネル出展したが、[THE HERITAGE TIMES YOKOHAMA KANAGAWA] 以外にも「歴史を生かしたまちづくり」に関連のあるプログラムがあったので、会場の様子とともにその一部を紹介する。



 




NHK/民放キー局の6局が協力して出展。「6局アナウンサー出演のシンポジウム」「6局キャラクターが結集する子供向け防災教室」「番組上映や制作者の講演」など、様々なイベントが展開された。

9月18日のオリジナルセッション「番組上映や制作者の講演」は各局のリレー形式で進められるセッションでNHKは「8K カラーでよみがえる関東大震災」と題し、NHKスペシャル「映像記録 関東大震災~帝都壊滅の三日間~(前編)」「映像記録 関東大震災~帝都壊滅の三日間~(後編)」でも紹介された関東大震災の直後に撮影されたフィルムや平成30(2018)年秋に鎌倉市内で発見された西野写真館旧蔵の写真原板(ガラス乾板)を高精細にカラー化した8K映像が投影され、そこから読み取れる事象や新たな発見などが紹介された。

登壇は吉田律人氏(横浜都市発展記念館 主任調査研究員)、落合淳氏(NHKエデュケーショナル エグゼクティブプロデューサー)、山口勝氏(NHK横浜放送局 チーフアナウンサー)。

吉田律人氏は「高精細カラー化して新たにわかったこともあり、こうした手法もより重要性が増してくると感じた。一方で行きすぎると捏造にもなりかねない。元資料を残すという博物館本来の役割もまた重要」と、また落合淳氏からは「先人が当時最先端の機材でこうした記録を残してくれたおかげでこのように現在に伝えることができている。サイエンスジャーナリストとしてシンパシーを感じる」とコメントした。

「歴史を生かしたまちづくり」の中で、こうした記録を残す作業がいかに重要であるか、再認識させられた内容であった。なお、これらの映像や画像はNHK横浜放送局による屋外展示(O-8(屋外展示)命をまもる 未来へつなぐ」防災ブース / 主催団体: NHK横浜放送局)でも見ることができた。


 




ぼうさいこくたい事務局から指名された地元神奈川の9団体(かながわ人と智をつなぐ防災・減災ネットワーク / 防災塾・だるま / 神奈川地学会 / ひらつか防災まちづくりの会 / (一社)神奈川県建築士会 / (公社)日本建築士会連合会 / 神奈川大学建築学部災害リスクマネジメント 研究室 / 防災&情報研究所 / 神奈川大学建築学部建築学科 落合努)で構成された実行委員会による講演・ワークショップ・ポスター展示などがギッシリと詰まったセッション。



「横浜の土砂災害と火災旋風災害」など関東大震災に関わる地学的見地からのプレゼンテーションが並ぶ。


オリジナルセッション会場の入口付近で目をひく「化石サンゴ」の展示。神奈川県の丹沢地区が元々南方の熱帯地域にあったことを示す「丹沢化石サンゴ礁」から採取された。(神奈川地学会


関東大震災での被災状況の写真や平塚市内の関東大震災慰霊碑が紹介されていた。(ひらつか防災まちづくりの会


水害予防組合議長を歴任した綱島飯田家の現当主飯田助知氏が代表を務めた「鶴見川水害予防組合史増補復刻委員会」が企画・編集し鶴見川流域ネットワーキングが発行した「鶴見川水害予防組合史」の増補復刻版の紹介。委員には平井誠二氏(大倉精神文化研究所)、 岸由ニ氏(慶應義塾大学名誉教授)が名を連ねる。


 


関東大震災当時の被害状況などを「8Kカラー映像」としてリマスターした約10分の動画を上映。クイズなども実施。


テントの外には関東大震災の今昔被災写真も展示されていた。


 


手帳製作を生業にしている企業が仕掛ける自然災害伝承碑をめぐるスタンプラリーの紹介。


 


被災建物の復旧方法と強化保守方法の実際に施工した工事内容の説明写真のパネル展示。曳き家は歴史的建造物の保全技術としても重要。


 



「地域防災体制の構築」「災害時ガイドライン等の整備」などの地域連携の取組や普及啓発・情報収集など事業の5つの柱と「災害時及び防災の支援」の実践活動の紹介。


 



自然災害発災時に危機に直面する文化財。特に地域に点在する民間所有の文化財の保全は困難を極める。ここでは、地域の歴史文化を象徴する多様な資料を様々な危機から守り、後世に伝える取り組みとして「歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」が紹介されていた。


 


ジオパークのメンバーである島原大変を伝承している島原半島、東日本大震災の三陸、熊本地震の阿蘇など全国での「過去に学び次世代につなぐ」活動を紹介する。


神奈川県からは箱根シオパークが町民とともに実施した自然災害伝承碑の調査の取組を紹介。

 


震災直後の横浜を日本帝国陸海軍が飛行船や水上飛行艇で撮影した航空写真を1/25,000地形図に貼り重ねている。


 


関東大震災の概要や被災状況の写真。


観測所の地盤が隆起したことで70cmほど見かけの潮位が下がったことを示す検潮儀記象。


 


関東大震災の被災状況の写真や震災伝承の取組みなどが紹介されていた。


 


防災に関わる国際支援の事例として、地方の無線局が繋いだアメリカからの迅速で多大な支援などが解説されていた。


アメリカからの支援に対して出された大統領宛に送られたお礼の手紙がその関係者を探すプロジェクトとともに紹介されていた。


 


全国各地「自然災害伝承碑」の記録を収集する取組の紹介。横浜では横浜公園の1か所のみが登録・公開されている。


 


防災専門図書館の紹介。古い現物資料が多くありレファレンスも充実しているとの案内だった。


 


震生湖について、地域の小学生たちが、地域の文化財として学ぶだけでなく、地震防災という視点をもって取組んだ学習内容についての紹介。


 


神奈川県博物館協会に加盟する博物館等の「神奈川震災100年プロジェクト」参加館園がさまざまな切り口で展開する展示事業の概要と見どころが紹介されていた。


 


1919年当時の関東学院校舎の図面から作製した模型や、神奈川県の国宝円覚寺舎利殿の構造解析モデルによる耐震の検討などが紹介されていた。


 

横浜市内の震災遺構、震災復興期の歴史的建造物に着目し、また、こうした歴史的建造物を後世に渡り遺していくための防災に関する取り組みについての紹介。


 

<ぼうさいこくたい2023概要>


・日   時:令和5(2023)年9月17日(日)午前10時から午後6時

       令和5(2023)年9月18日(月・祝) 午前10時から午後3時30分

・場   所:横浜国立大学(横浜市保土ケ谷区常盤台 79-1)

・テ ー マ:「次の 100 年への備え - 過去に学び、次世代へつなぐ - 」

・主   催:防災推進国民大会 2023 実行委員会

       (内閣府・防災推進協議会・防災推進国民会議)

・協   力:神奈川県、横浜市、横浜国立大学

・入 場 料:無料



 




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