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[開港5都市]景観まちづくり会議2022新潟大会 - 10 全体会議Ⅱ「未来へツナグ~Let's make 50years later together!!!!!【THE HERITAGE TIM-

更新日:2022年11月13日



令和4(2022)年9月24日(土)、「開港5都市景観まちづくり会議2022新潟大会」2日目、は、5つの分科会に分かれるエクスカーションを終えた参加者が新潟市民プラザに集まり、今大会2回目の全体会議、開港5都市の未来を担う世代(FG : Future Generation)による活動報告とディスカッションが始まった。



・司会 西野廣貴氏(開港5都市景観まちづくり会議2022新潟大会実行委員会委員)

7年前の長崎大会でFG(Future Generation)として若手を中心とした会議が発足した。今回の新潟大会では、これを全体会議として企画した。

日本海と信濃川に挟まれた開港時の中心地を含む地域は、50年前に分水路ができたことにより新潟島の一部となった。この新潟島誕生50周年にちなみ50年後を見据えたまちづくりをテーマとした。

新潟市の職員ではあるが、市民団体チームとしての参加も含めて、FGの誕生と共に7年間、開港5都市景観まちづくり会議に出席してきた。新潟の街は、関屋分水路が整備されたことで、市街地が発展してきた。水辺空間の利活用として実施せている今シーズンのミズベリング信濃川やすらぎ堤は明日までなので、是非訪れて欲しい。



・オープニングアクト(CHIBI UNITY)

開会の後、会場は一瞬暗くなり、激しいビートの音楽が包み、オープニングアクトが始まった。

オープンニングアクトでダンスを披露したのは、結成後わずか1年で世界大会優勝、世界最大級のダンス大会「VIBE」では、ジュニア部門で史上初の三連覇を達成した「CHIBI UNITY」。小学生から高校生までのメンバーで構成されたジュニアダンスクルーである。「CHIBI UNITY」の迫力あるダンスで一気に会場の空気が温まった。



<長崎市>

・平山広孝氏(長崎都市・景観研究所 / 長崎市)

この会議はまちの発展のためにかけがえのないものだと思っている。どうすればこの会議が継続していけるかを考え、FG会議を提案した。今回新潟市でも引継いでいただいており、嬉しく思っている。この間、長崎でも将来を見据えた若手の育成をテーマに「FG長崎2045」を立ち上げた。戦後・被爆から100年となる2045年を見据え、まちづくりを考えていく次世代のキーマンの育成を目的にしている。長崎の港をどう生かしていくか皆で考え、「長崎海の民ビジョン2045」という形で提案をまとめた。この提案では土地利用的なハードな提案だけでなく、例えば長崎にお魚博物館をつくる等ソフトな提案も行なっている。このビジョンは多くの方からも意見をいただきたいと思い、広く公開している。


・牧田悠依氏(長崎都市・景観研究所 / 長崎県)

近年長崎市では戦後の建物も含め、多くの建物が失われてきた。こうした危機感や所有者に寄り添えない無力感から、建物の幸せな在り方を考えたいと思い、2020年から街中のビンテージな建物を集め、Instagramで公開を始めた。産学官民で活動を展開している。活動の一例として、県営の旧魚の町団地がある。こういったレトロの建物を見学会やイベント等を通して使っていくことで、多くの方に関心を持っていただきたいと思っている。今年もオープンハウス等のイベントのほか、長崎県としては魚の町団地のサウンディング(ニーズ)調査等も予定している。


<神戸市>

・永田泰資氏(三宮中央通りまちづくり協議会)

およそ50年前は大阪万博が開催された年である。兵庫県下でも万博に向け、急ピッチで整備が進んでいた。51年前に市電を廃止した街では、連接バスや三ノ宮駅前の整備が進んでいる。将来を見据え、歩行者中心の街を整備している。

・藤本はな氏(美しい街岡本協議会)

50年後、高齢化していく街では、ローカルなサイズのコミュニティが必要になってくると思っている。


・小川嘉之氏、柳憲司氏(コネクト神戸)

神戸は「おしゃれ」、「ハイカラ」なイメージを持たれていると思うが、そのイメージに依存するのではなく、自分たちが主役で発信していきたいと思い、クリエーターからの提案を受け、行政も巻き込み「OSSANS(オッサンズ)」と題してポスター掲示、文庫本の製作・配布を行った。こうした取組みはテレビ等の各種メディアでも紹介された。



<横浜市>

・小田嶋鉄朗氏(ヘリテイジタイムズ横浜・神奈川)


ウェブメディアとして記者発表を中心とした歴史を生かしたまちづくりの紹介や、歴飯・歴湯・歴鉄等の独自のコラム等を掲載してきた。活動の発端として、歴史的建造物の保存を仕事としていた際に、所有者に対するメッセージがマイナスに働くことがあると感じたことがあったことがある。歴史的建造物を守ってきた所有者に敬意を表し、ウェブメディアとして広く紹介していきたいと思っている。50年という後は東京都庁が歴史的建造物として評価される。歴史の重みを感じている。例えば横浜市の野毛山にある歩道橋など戦後の歴史的建造物を評価していく時期に来ている。一方で将来に渡り、歴史的建造物の保存を進めていくには、法的な課題等をどうクリアしたか知見の集積も大切だと思っている。次回の横浜大会を見据え、開港5都市場を借りて情報の集積を進めていきたいと思っているので、是非参加して欲しい。


・坂口祐太氏、遠藤望氏(Yocco(株))


横浜の地域特性を盛り込んだキャラクターをデザインした。このキャラクターを使った地域おこしを進めている。前回の長崎大会後の活動として、横浜都市デザイン50周年記念事業とのコラボ、企業とのコラボとして横浜市のイメージ調査、商店街のプロモーション動画の製作、商業施設内での展示、LINEスタンプの製作等も行ってきた。2年半ほど活動を行ってきたが、活動領域も拡大しており、持続可能な取り組みを目指したいと思っている。


<函館市>

・北山拓氏((株)はこだて西部まちづくりRe-Design 代表取締役)


函館の西部地区は外からのブランドイメージと内部の状況に差が出ている。この会社は、行政だけ、民間だけではそれぞれできないことを官民連携で実現していきたいと思い、活動を始めた。この地区には函館様式と言われる特徴的な歴史的建造物が多い。ハードは行政財産の利活用を一つの担い手に承継していくことを目指している。ソフトとしては観光地としてのブランディング事業も行なっている。例えば、旧北海道庁函館支庁庁舎の利活用、函館旧加藤家住宅をオフィスとしてのリノベーション、市街地内の公有地の利活用、HAKODATE×ARTISTとしてアーティストさんと連携した取り組み等も進めている。


・岡田暁氏(函館デザイン協議会会長)


「OUR TRAMプロジェクト」:当初広告収入を目的とした路面電車は、デザインが統制できておらず、写真映えしないものとなっていた。この路面電車を観光資源として活用することを目指して、ガイドラインをリニューアルしている。また、デザイナーによるアドバイザー制度も始めている。

「函館タータン」男爵いもの生み親として知られている川田龍吉男爵にちなみスコットランドの伝統柄のタータンチェックの製作を始めた。函館らしい色を組み合わせて投票を行い、素案を作成した。将来的には函館市の柄として展開していければ良いと思っている。


<新潟市>

・結衣氏(古町芸妓 ㈱柳都振興)


5年前の開港5都市景観まちづくり会議ではFG会議でプレゼンテーションした。振袖を経験し、その後留袖としてお座敷に出られるような仕組みとなっている。かつて古町界隈は堀が多く、その周りに料理屋、茶屋、置屋がたくさんあった。今では、料理屋が20軒、茶屋が1軒、置屋が15軒程度しか残っていない。置屋のうち1軒は、古町の文化を伝えていくことを目的に株式会社組織として運営されている。新潟のお座敷は、湊町のおもてなし文化として一見さんも歓迎している。家族での会食や結婚式だけでなく、法事の席にも呼ばれることがある。是非新潟のお座敷文化を体験していただきたい。


・浜浦小学校4年生


「総合的な学習の時間『地域を守るネムの森』」浜浦小学校の近くには「ネムの森」と呼ばれる松林がある。浜浦小学校では4年生の総合的な学習の時間としてこの森について学ぶ機会を設けている。植生や森で生活する生き物について、その中で何故松の木が多いのか、砂防林について学習を進めてきた様子が紹介された。


<レジェンドからのコメント>

各都市で景観・まちづくり活動を実践し、開港5都市景観まちづくり会議に永く携わってきた各都市の参加者(レジェンド)から、発表に対するコメントがあった。


・桐野耕一氏(長崎・長崎居留地歴史まちづくり協議会)

50年後を考えたときに、自分たちが60歳となっている小学校をプレゼンターとしたのは素晴らしい。総合学習の時間でまちづくりについて勉強してもらっているが、こうした活動を通して、少しずつ街の雰囲気が変わってきたと感じている。大人だけでなく、次世代を担う子どもたちにこうした取り組みを伝えていく必要があると感じている。




・奈良山貴士氏(神戸・神戸元町商店街まちなみ委員会)

(ヘリテイジタイムズ横浜・神奈川の報告に対して)次回の函館大会から開港5都市としてスポンサーを付け、メディアも巻き込み、歴史的建造物の所有者を表彰するような取り組みをしてはどうか。






・国吉直行氏(横浜・横浜都市デザイン50周年事業実行委員会会長)

横浜市民が誇りを持って住めるような街にして欲しい、他の都市からも来て欲しいと思い、都市デザインを進めてきた。こうした中で、市民が親しみを持つように「港へ」、「ゆっくり歩こうヨコハマ」等のメッセージを打ち出してきた。硬直化してきた行政のまちづくに発破をかけようと開港5都市の活動を始めたが、最近は色々な活動が出てきている。多くの人々の共感を得ながら活動を積み重ね、仲間を増やしていくことで次につながっていくと思う。


・里見泰彦氏(函館・五稜郭の文化価値を考える会理事)

FG会議には非常に熱気を感じる。新潟市の発表者であった小学生は50年後も活躍している子どもたちである。今ここで体制を立て直し、新しい50年後をつくっていこうという動きが開港5都市の中から生まれてきたことが喜ばしいと思う。





・本間龍夫氏(開港5都市景観まちづくり会議2022新潟大会実行委員長)

(運営についてはもう少ししっかりしてほしいと思うところもあるが)これまでは開港5都市に参加してもFG会議には関わって来なかったが、今回FG会議の取り組みを知ってその意義を感じた。








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