<全体会議1 後半>
開港5都市景観まちづくり会議長崎大会・全体会議1の後半は、107会議室と108会議室に分かれて実施された。
107会議室のテーマは「①ポストコロナ時代の観光まちづくり(107会議室)」。まずは、各都市からの報告で始まった。
函館の佐々木馨氏(函館景観まちづくり協議会)からは、函館の状況として、来年が市政100周年を迎えること、コロナ渦の影響で観光は低調だが「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録の影響で縄文文化交流センターは好調だったこと、西部地区再整備事業「株式会社はこだて西部まちづくりRe-Design」が設立されたこと、元町公園内旧北海道庁函館支庁庁舎の利活用に向け検討中であること、などが報告された。
新潟の上杉知之氏(にいがた花絵プロジェクト実行委員会)からは、景観協議会で「景観とは何か」という勉強会を開催したこと、新潟駅、万代、古町をつなぐ都心軸の都市デザインを考える「にいがた2km(ニキロ)」の取組、オンラインとオフラインのハイブリット観光「にいがた旅むすび」、ランチで花街文化体験をする「ランチ付き新潟花街茶屋」、新潟駅構内に“食の観光案内所”をコンセプトにした「TABI BAR & CAFE from SUZUVEL」などについて報告があり、来年は是非新潟へ来て欲しいと意気込みを語った。
横浜の坂口祐太氏(Yocco18)からは、最近の横浜市の動きとして、歩行者空間を拡充し活用する社会実験「みっけるみなぶん」、日本初の都市型ロープウェイ「よこはまエアキャビン」、女神橋の開通、横浜の都市デザインが50周年などの最近のまちづくりに関する取組の報告に続き、ポストコロナの取組として、オンライン区民まつりの動画募集を契機としたYocco18のキャラクターを使った動画の紹介があり「つながらないまちづくり」の可能性についての投げかけがあった。
神戸の曹祐仁氏(南京町景観形成協議会)からは、コロナ渦で観光地に大きな影響があったが復調傾向であるという「豚まん的経済観測」、主要なイベントは中止となったがその中でも、南京町春節祭はアーカイブ春節祭、やサテライト「神戸北野春節祭」など工夫をして実施してきたこと、自身はYouTubeを活用して街の紹介をしていること(曹さんぽ)などの事例報告があり、前向きにまちづくりを進める市民と、その活動をフォローする行政という二人三脚が重要ではないかとの問題提起があった。
長崎の梅元建治氏(一般社団法人ナガサキベイデザインセンター)からは、ピークには300隻来ていた客船のためにバースの増設をしていた最中のコロナ渦となったこと、比べて大幅にの客船が減ったこと、人口減少も続いていて厳しい状況であること、そんな中、協議会団体が一つ増えた(長崎居留地歴史まちづくり協議会)ことなどの報告に続いて、コロナ渦での取組として長崎居留地まつりが今年はオンラインで開催され、開港5都市景観まちづくり会議のFGメンバーにも参加したことについて触れ、最後に前日に市長決裁となり明日の分科会から御披露目となる「長崎居留地歴まちグランドデザイン」について紹介があった。
事例報告に続いて、各都市の報告者に榊原史博氏を加え、コーディネーターに高尾忠志氏(長崎市景観専門監)を迎えてパネルディスカッションが始まった。
基調講演や各都市の報告を受けた感想についてのコメントとパネリストが参加する分科会の着眼点などが話された。
それを受け榊原氏からは、「まちづくりは世界遺産になってからが重要。IRなどお金で作れるものはブランドにはならない、時間の経過、蓄積がブランディングに。」「自分の街の出来上がった姿を共有すべき」とコメントがあり、最後にコーディネーターが「この全体会議の議論をもとに、各分会の意見交換で議論を深めて欲しい」と締めくくり、パネルディスカッションを終えた。
函館・佐々木馨氏(函館景観まちづくり協議会) 「五稜郭を世界遺産にしたい」
新潟・上杉知之氏(にいがた花絵プロジェクト実行委員会)「開港都市の5港学をやりたい。」
横浜・坂口祐太氏(Yocco18)「街をテーマパーク化せずに地域の人が地域で楽しむことが大切」
神戸・曹祐仁氏(南京町景観形成協議会)「各都市のプロセスデザインを学びたい」
長崎・梅元建治氏(一般社団法人ナガサキベイデザインセンター)「自分たちの街を好きになれるかがポイント」
コーディネーターの高尾忠志氏(長崎市景観専門監)
司会は全体会議1前半に続き青柳智子氏(東山手町並保存会)
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